吉永小百合、過労で声が出なくなったことがあった!20代の苦悩明かす
吉永小百合が30日、主演映画『北のカナリアたち』でメガホンを取った阪本順治監督と共に、丸の内TOEIで、500名の学生を前に公開授業を行った。
映画『北のカナリアたち』阪本順治監督&吉永小百合ティーチインイベントフォトギャラリー
本作は東映創立60周年を記念して製作されたヒューマン・サスペンスで、湊かなえの小説「往復書簡」の一編「二十年後の宿題」を映画化した作品。20年前に起きた悲劇により引き裂かれた教師と教え子たちが、ある事件を機に再会し、それぞれが抱える心の傷や真実が明らかになっていくさまを描いている。
この日のティーチインは、観客動員数100万人を突破したことを記念して開催。吉永は、会場から寄せられた演技から人生にまつわるさまざまな質問に、一つ一つ丁寧に応じた。作品と同じく、人生で何か苦難に遭遇したときの経験を聞かれると、25、6歳のときに過労で声が出なくなったことがあったと明かし、「そのとき、周りの方から『今できることをやればいいんだ、無理しなくていいんだ』と言っていただいて、今につながっていると思います。本当につらい、困った時期に、一人じゃないんだよと声を掛けていただいたことで、生きられた気がします」とコメントした。
そんな吉永が「セリフよりも表情の演技を求められた」という最新作『北のカナリアたち』。吉永は、撮影の様子について、「特に今回は、若い役者さんたちが自分の思いをはる(吉永)にぶつけてくるシーンが多かったので、まずは受け止めて、大きなリアクションをするのではなく、心の中で『この子はこんなことを考えていたんだ』と思えばそれがきっと顔に出ると思いました」と振り返った。
この日吉永はティーチインに出席した学生たちをバックに写真撮影を行い、そのまま退場する予定だったが、最前列にいた学生に話し掛けると立ち止まり、向き合って質問に答えるなど、真摯(しんし)に一人一人と向き合う姿が印象的だった。(取材・文:中村好伸)
映画『北のカナリアたち』は全国公開中