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山田洋次ミュージアムがオープン! 昨今の映画業界に苦言を漏らす

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映画業界のデジタル化に警鐘を鳴らした山田洋次監督
映画業界のデジタル化に警鐘を鳴らした山田洋次監督

 15日、葛飾区の寅さん記念館で「山田洋次ミュージアムオープン・寅さん記念館リニューアル記念式典」が行われ、山田洋次監督が万感の思いを口にするとともに、映画業界のデジタル化に警鐘を鳴らした。この日はほかに、山田監督の新作『東京家族』に出演する橋爪功吉行和子らも出席した。

「山田洋次ミュージアムオープン・寅さん記念館リニューアル記念式典」フォトギャラリー

 ついにオープンとなった「山田洋次ミュージアム」について、内覧会に参加した山田監督は「映画の歴史をたどりながら、この50年間の日本について考えられるような、そんなミュージアムにしてほしいとお願いしましたが、大変立派なものが完成して恐縮しています」と晴れ晴れとした表情。

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 ミュージアムのテーマが「フィルム」だと明かした山田監督は、来年からほとんどの映画館がデジタル上映になるという映画業界のデジタル化について、「僕は撮影だけはフィルムで続けたいと思っていますけど、現場の技術革新はやむを得ないにしても、それでもあまりにもあっという間だったので、世界中の映画人が戸惑いを持っている」とコメントした。

 「もちろん技術革新に異を唱えるわけではないが、サイレントがトーキーになったり、白黒がカラーになったような新たな表現を、今回のデジタル化で同じように獲得できたとは思えない。さまざまな技術的なノウハウが消えていっていいのか。効率的になったのはわかるけども、それ以上に僕たちは何を獲得できたのか疑問ですね。本当は2年、3年と議論してから導入すべきだったと思います」と早急な業界のデジタル化に警鐘を鳴らしていた。

 そんな山田監督の思いを具現化するかのように、このミュージアム中央には、実際に松竹の倉庫に保管されていたブリキのフィルム缶やフィルム、35ミリ映写機などを使用したシンボルオブジェが置かれている。この映写機は実際に動かすこともできるようになっており、カタカタと鳴り響くフィルム映写機の音に山田監督はそっと耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)

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