井筒監督、暴走!『007 スカイフォール』に苦言を呈して『96時間』を持ち上げ
20日、スペースFS汐留で映画『96時間/リベンジ』公開記念“イッキ観”試写会が行われ、井筒和幸監督とヒップホップグループRhymesterの宇多丸が本作の魅力を語り尽くした。
『シンドラーのリスト』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど、演技派俳優として知られたリーアム・ニーソンだが、前作『96時間』でアクション演技に開眼。リーアム演じる主人公ブライアンは、元CIA工作員時代に体得した数々の特殊技能を駆使して、悪党たちをなぎ倒していく。そんな本作を宇多丸は「リーアム・ニーソンの皮をかぶったセガール映画」と評してみせる。
スティーヴン・セガールといえば、合気道を基調としたアクションスタイルが特徴だが、「2人ともほとんど体を動かさないで敵を倒す。どっちが勝つかではなくて、(敵はこの2人に)会ったら死ぬという世界。だからいつ会うのかという話ですよ」と類似点を指摘した。
本作の上映時間は92分。宇多丸が「シンプルなプロットがいいじゃないですか。これくらいの時間で面白い映画が量産されればいいのに」と切り出すと、「『007 スカイフォール』は長かったしな。屋根のアクションも『96時間/リベンジ』の方が良かったで」と軽口を叩き始める井筒監督。宇多丸が「俺、『スカイフォール』は大好きなんだから。この映画をほめるためにわざわざ悪口を言わない!」とツッコむものの、主人公のブライアン同様、井筒監督の暴走も止まらない(!?)。
さらに「僕ね、この人(リーアム)の先行きを心配していたのよ。星に戦争(『スター・ウォーズ』)に行ってからあかんやろと思っていたから」と切り出した井筒監督。それだけに本作には感銘を受けたようで、「結局、役者って過去と決別してふっきることが大事。そうするとうまくはまったりするんですよ。この人、いいシリーズを見つけたよね」としみじみ。その後も、まだまだしゃべり足りないといった様子の井筒監督は、写真撮影の間、そしてイベントが終了し、退出するときになっても、延々と映画トークを繰り広げた。(取材・文:壬生智裕)
映画『96時間/リベンジ』は2013年1月11日より全国公開