伊藤歩、感無量のあまり涙!思い入れが強すぎて…
12日、新宿ピカデリーで映画『渾身 KON-SHIN』の初日舞台あいさつが行われ、主演の伊藤歩が感極まって涙を流す一幕があった。この日はほかに、青柳翔、井上華月、甲本雅裕、財前直見、錦織良成監督らが登壇した。
映画『渾身 KON-SHIN』初日舞台あいさつフォトギャラリー
隠岐諸島に伝わる古典相撲を通して、家族の絆や細やかな心情を描き出す本作。「母が着物を選んでくれました」と切り出した伊藤は、緑の着物姿で登場した。「日本の古典相撲を描いた映画なので、初日に着物を着たいと思っていました。改めてこの映画に関わって、(日本の文化を)大切にしないといけないという気持ちが芽生えました」と明かす。
本作の撮影は2011年の秋に行われた。その時期は東日本大震災の影響で、映画制作を自主規制するような風潮があった。「311から半年で、精神的に落ち込んでいるときにもらった仕事。監督や隠岐島の人たちに支えられた」と伊藤は振り返ると、さらに「この映画では、自分自身の成長につながる出会いがたくさんありました。この映画には悪い人が出てこなくて、こういう映画があってもいいなと思います」と付け加えた。伊藤にとっても、本作に対する思い入れは非常に強かったようだ。
そんな彼女が本作で演じた多美子は、クライマックスの相撲シーンで、娘に向かって「一生懸命お相撲をとって、みんなが応援をしてくれたから、(試合には負けても)お父さんは勝ったの」というまさに本作のテーマを象徴するようなセリフを発する。「自分の言いたかったセリフを言わせてもらった。監督に感謝したいと思います」と言うや、感極まったのか、その瞳には大粒の涙が。ツーッと頬をこぼれ落ちたその涙を、伊藤はそっとぬぐっていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『渾身 KON-SHIN』は全国松竹系にて公開中