『ジャンゴ 繋がれざる者』の奴隷人形、製造中止に 黒人団体の抗議で
クエンティン・タランティーノ監督の映画『ジャンゴ 繋がれざる者』のアクション・フィギュアが、黒人団体からの抗議で製造中止になったとTMZ.comなど複数メディアが伝えた。
今回問題となったのは、米おもちゃ会社NECAが映画会社ワインスタイン・カンパニーと組んで発売したキャラクター人形。人形はディカプリオが演じた農園領主だけでなく、ジャンゴのほかに奴隷のブルームヒルダやスティーヴのものなど含め、全6種類あった。
TMZ.comによると、これらが発売されてすぐ、黒人の権利擁護団体がボイコットを呼びかけ、ワインスタイン・カンパニーにも製造中止を申し入れたところすぐに対処してくれたという。しかし製造中止までにすでに約1,000体の人形が市場に出回ったらしい。
Access Hollywoodによると、人形は映画の観賞対象年齢である17歳以上を対象にしたもので、ワインスタイン・カンパニー側は、これまでのタランティーノ監督作はすべてアクション・フィギュアが発売されており、その流れで今回も製造したとのこと。ワインスタイン・カンパニーは、「人を不快にさせる意図はまったくなかった」と声明を発表している。
『ジャンゴ 繋がれざる者』は、19世紀を舞台に、ジェイミー・フォックス演じる元奴隷のジャンゴが、妻を取り戻すためにレオナルド・ディカプリオ演じる農園の領主に復讐(ふくしゅう)劇を仕掛けるというストーリー。その内容とセリフは特に黒人社会から非難が多く、スパイク・リー監督が「祖先に対して冒涜的な映画だ」とコメントするなど風当たりが強い。(澤田理沙)