辻仁成、妻・中山美穂とのつながりを明かす…最新作では監督とプロデューサーという関係
インディーズ映画『その後のふたり』のメガホンを取った辻仁成が、妻の女優・中山美穂との関係を語った。本作に中山は「Miho Tsuji」名義でプロデューサーとして参加。脚本段階からいろいろアドバイスをもらっていたのだという。
本作における妻・中山の役割は、辻いわく「脚本を読んでもらったり、アドバイスをもらったりと、縁の下の力持ち」だとか。そんな中山が一度だけ現場にやって来たことがあったといい「おにぎりを差し入れに来てくれたんですけど、やはり映画の現場を知っている人間が来るとピリッときます。スタッフには映画の制作経験がある人が少なかったので、彼らに気を使ってもらった」と振り返る。
辻自身は小説家・ミュージシャンとしての顔が知られているものの、小学生のときから映画監督になりたいという夢を抱いてきた。大学生のときに参加した映画研究会ではシナリオを書き続け、それが後に小説家への道につながったと明かすなど、今でも辻の中で映画が占める位置は大きい。そんな映画への感謝の気持ちが本作を生み出したといっても過言ではない。
アート系の映画配給会社が次々と倒産する中、音楽配信や自費出版の小説などのように、自分たちで映画を作って販売することができないか。それが本作製作のきっかけであり、そんな彼の熱意に賛同したスタッフや俳優たちが次々と協力を申し出た。主演の坂井真紀もその一人。「彼女は映画が大好きで、若松(孝二)さんの映画とかも出るくらいガッツのある人。予算もないから、まさかやってくれるとは思っていなかったけど、快く引き受けてくれた」と辻は述懐する。
パリと東京を舞台にした「別れたカップルのその後を追いかける」ドキュメンタリー制作を通じて、愛や人生の意味を問いかける本作。低予算ではあるが、パリや東京の四季折々の景色を1年かけて撮影するなど、作りは丁寧だ。「インディーズやテレビ映画なども含めると8本くらい映画を作ってきたんですが、そこで培ったつながりは大きいですね。この映画は、彼ら映画人が作ってくれた作品だと思います」と辻は誇らしげに語っていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『その後のふたり』は2月9日よりアップリンクほかにて全国順次公開