シュワちゃん映画を抜いたNo.1映画はギレルモ・デル・トロ製作、『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャステインが出演
映画『ツリー・オブ・ライフ』『ゼロ・ダーク・サーティ』の若手演技派女優ジェシカ・チャステインが、新作『ママ(原題)/ Mama』について語った。
ジェシカ・チャステイン出演 映画『ゼロ・ダーク・サーティ』場面写真
同作は、幼い姉妹ビクトリア(ミーガン・チャルペンティア)とリリー(イザベル・ネリッセ)は、両親を殺害された後に姿を消して行方不明になる。だが彼女たちの叔父ルーカス(ニコライ・コスター=ワルドー)が恋人アナベル(ジェシカ・チャステイン)と捜索を開始し、事件から5年後に山荘で変わり果てた姿で生きている姉妹を発見する。ルーカスは身寄りのない姉妹を引き取って、アナベルと共に4人で暮らし始めるが、姉妹の奇怪な行動が家の中に魔物を呼び寄せるというホラー作品。映画『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロが製作し、監督はアンドレス・ムシェッティが務める。
今作でジェシカは、子どもの面倒を見るロックバンドの女性を演じている。「2年前にカンヌ国際映画祭に出品された『ツリー・オブ・ライフ』、『テイク・シェルター』の後、急に献身的な妻や母親の役のオファーがたくさんあったの。ハリウッドでは型にはめようとする傾向があるけれど、この役は『ツリー・オブ・ライフ』の母親役とは全くかけ離れているのよ。アナベルは、最初は子どもの面倒を見るのを嫌がっていた。それにパンクバンドのベーシストで、それほどうまくないから有名でもない。でも、そんな彼女が子どものヒーロー的な存在になり、自分勝手ではない人間に成長していく過程にひかれたの」と答えた。
子役ミーガン・チャルペンティアとイザベル・ネリッセについて「大人と過ごすより気楽でいいわ。彼らは子どもらしくて、無理に大人びてみせるような、わたしが苦手な子役ではないの。リリー役を演じたイザベルは、アメリカに来たばかりで、まだ英語がそれほどしゃべれず、フランス語を話していたわ。そんな彼女は歌手タイオ・クルーズの曲『ダイナマイト』が好きで、その曲をトレーラーで一緒に聴いたり、ダンスしながら彼女は撮影中に英語を学んでいったわ。そのため、映画内では最初に子どもに慣れていないこの役の設定に苦労したわ」と語った。
アンドレス・ムシェッティ監督と製作者ギレルモ・デル・トロについて「アンドレスの姉で脚本家のバーバラを含め、彼ら3人は全く違った性格をしているの。でも、いつもみんなの調和がとれていて、セットで言い争いになることもなかった。アンドレスはクリエイティブで、彼の描いた絵が映画内で叔父ルーカスの部屋に飾ってあるの。バーバラはものすごくスマートな女性で、勉強になったし、ユーモアを求めるならばそれはギレルモ・デル・トロだった。製作者としてキャプテンのギレルモは、決して我々を召使いのように扱ったことはなかったわ」と述べた。
映画は数多くのホラー映画を生んだギレルモ・デル・トロの下、背中をゾクッとさせられるシーンがふんだんに含まれ、楽しませてくれる作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)