前田敦子に「映画女優」への強い意志!『リング』中田秀夫監督が述懐
元AKB48の前田敦子主演のホラー映画『クロユリ団地』が現地時間28日、オランダで開催中の第42回ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映された。前田は現地入りしなかったが、中田秀夫監督が舞台あいさつに立ち、『リング』シリーズなどで知られるJホラーの旗手の登場に会場から大きな拍手が沸き起こった。
本作は、幽霊が出るとうわさされていることも知らずに、老朽化した団地に越してきた明日香(前田)が、恐怖に巻き込まれていくさまを描いた作品。会場には『怪談』以来となる中田監督の6年ぶりのホラー映画に期待を寄せるファンが多数詰めかけ、恐怖描写に「Oh!」など思わず声を上げてしまう人たちが続出。中田監督も「好意的に観てくれたようですね」と好反応に笑顔を見せていた。
中田監督は現地入りにあたり、オランダ在住の前田ファンからソーシャル・ネットワークを通して、十分な防寒対策をしてくるようアドバイスをもらったそう。ちなみに本作の撮影は、前田がAKB48卒業を発表した後の2012年5月末から7月中旬と慌ただしい日々の中で行われた。しかし、前田は集中力を切らすことなく、撮影に没頭していたとのこと。中田監督は「卒業を決意して、映画女優になるんだという強い意志を現場で感じましたね。恐怖に陥る後半は、青白いメイクをして酷い状態になるのだけど、それでも彼女の顔は映画的に映え、さらに撮られるうちにどんどんキレイになっていった」と絶賛した。
ロッテルダムでの上映を終え、映画『クロユリ団地』は引き続きフランスで開催中の第20回ジュラルメール・ファンタスティック映画祭コンペティション部門で上映される。中田監督にとっては、映画『仄暗い水の底から』でグランプリを受賞した縁起の良い映画祭で、早速、中田監督も現地に向かった。映画女優の道を歩き始めた前田に朗報は届くのか? 第20回ジュラルメール・ファンタスティック映画祭の受賞結果は現地時間2月3日に発表される。(取材・文:中山治美)
映画『クロユリ団地』は5月18日より全国公開