オスカー最有力『リンカーン』に史実誤認か アメリカ議員が抗議
第85回アカデミー賞を最多12部門でノミネートされているスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『リンカーン』に史実誤認があるのではないかと話題になっている。
E! Onlineによると、本作の描写に異議を唱えているのは米コネティカット州のジョー・コートニー議員。奴隷制の廃止を定めた「アメリカ合衆国憲法修正第13条」をめぐり、劇中ではコネティカット州の代議士は憲法改正に反対票を投じたとされているが、「これは事実とは異なる」と主張している。
実際、議会調査部に問い合わせたところ、4人いた代議士全員が賛成票を投じたという記録が残っていたといい、コートニー氏はスピルバーグに対して、該当箇所の修正を求める意見書を提出した。その中では、氏がまだ同作のファンであることは明かしつつも「リンカーン大統領を支持していたわが州の議員が正反対に描かれているのは遺憾です」と記されている。
アカデミー賞候補に挙がっている作品にこうした疑義が呈されることは珍しいことではなく、今年はほかにキャスリン・ビグロー監督の『ゼロ・ダーク・サーティ』が、拷問シーンを含んでいることに対して抗議を受けたことが話題に。因果関係はわからないものの、ビグロー監督は確実視されていたアカデミー賞監督賞ノミネートを逃す結果になっている。(編集部・福田麗)