サイモン&ガーファンクル、活動停止の裏側を明かす 俳優デビューが引き金に
「サイモン&ガーファンクル」のアート・ガーファンクルが、ポール・サイモンとのデュオ解消に至った経緯を明かした。マイク・ニコルズ監督の映画『卒業』の音楽を担当したことで世界的知名度を獲得した彼らだったが、くしくも同じニコルズ監督の映画『キャッチ22』が、サイモン&ガーファンクルとしての活動を停止する引き金になってしまったのだという。
英gurdian.co.ukをはじめとするメディアによると、ガーファンクルはニューヨークで行われたドキュメンタリー映画『サイモン・アンド・ガーファンクル : ソングズ・オブ・アメリカ(原題) / Simon and Garfunkel : Songs of America』のイベントで活動停止の理由に言及。『卒業』の後、ガーファンクルはニコルズ監督の映画『キャッチ22』に重要な役どころで出演し、華々しい俳優デビューを飾った。実は同作の撮影には相方のサイモンも参加していたが、ニコルズ監督はサイモンの出演シーンを全カット。結果的に、ガーファンクルだけが出演している形になってしまった。
そのことについて、ガーファンクルはニコルズ監督を名指しで批判。同ドキュメンタリーを監督したチャールズ・グローディンも「サイモン&ガーファンクルをキャスティングしておきながら、ポールだけがカットされた。そんなことはすべきじゃなかったんだ」と振り返った。そのためガーファンクルの撮影中、サイモンは一人でスタジオにこもることになり、そのときの心境は楽曲「ジ・オンリー・リビング・ボーイ・イン・ニューヨーク」につづられているという。
事実、その出来事がきっかけとなり同ユニットは1970年に活動停止。だが、その後もお互いのソロアルバムに参加したり、再結成を果たしたりするなど、良好な関係を築いている。その一方で、2010年の再結成ツアーはガーファンクルの声帯不全まひのため、無期延期に。そのこともあり、今後再結成する可能性は低いとの見解をガーファンクルは明らかにしている。(編集部・福田麗)