堺雅人&中谷美紀が激論!?撮影を通して学んだ動物とうまく付き合う方法とは……?
保健所に捕獲されて期限内に引き取り手が見つからなければ、殺処分にされてしまうという、厳しい現実とさまざまな立場から向き合う人々を描いた『ひまわりと子犬の7日間』で、妻を亡くした保健所の職員と獣医をそれぞれ演じた堺雅人と中谷美紀が、ペットとの関係について意見を交わした。
舞台となった宮崎の地は堺の生まれ故郷。幼い頃から慣れ親しんだ宮崎弁で演じることが「夢だった」というだけに、自ら中谷に宮崎弁の個人指導も買って出たとか! 生徒となった中谷は「監督と方言指導の先生からOKが出たところに、堺さんが飛んで来てダメ出しをしてくださったことも……(笑)」と撮影中の堺の熱いエピソードを披露した。
劇中では子犬を守ろうとするあまり人間に牙をむくひまわりと、堺演じる彰司が、タイムリミットの迫る中で心を通わせていく。最初は距離のある関係ゆえに、ひまわり役のイチとはあえて「あまりベタベタせずに接しようと心掛けていました」と堺は語る。また中谷も「犬のように自由に演じるのが永遠の目標です」とイチとの共演に刺激を受けたようだった。
「自分が動物を“所有”したり、いわゆる“愛玩”することには、彼らの人生にそこまでの責任を負えないのでは、というためらいを感じてしまうんです」という中谷に、「最初から“家族”を背負わせるのは犬にとっても酷なんじゃないかな? 犬はあくまでも犬。だからこそ、理解し合えたと思えるわずかな瞬間に、感動が生まれるのではないでしょうか」と同調する堺。ペットを家族の一員として迎えることに関しては、両者共に動物を尊重する姿勢を見せる。
そんなペットと人間の間に横たわる問題に、すぐに解決策など見つからない難しさと闘いつつ、目の前の存在に精いっぱいの愛をもって接しようともがく登場人物たち。その「愛情の連鎖」は、映画館の外でもきっと、つながっていくだろう。(取材・文:那須千里)
映画『ひまわりと子犬の7日間』は3月16日より全国公開