銀座シネパトス、最後の公開作!秋吉久美子、染谷将太が惜別の言葉
23日、惜しまれながら3月いっぱいで閉館となる銀座シネパトスを舞台とした映画『インターミッション』の初日舞台あいさつが同劇場で行われ、秋吉久美子、染谷将太、樋口尚文監督が登壇、本作が最後のロードショー作品となる同館に惜別の言葉を贈った。
本作は閉館が決まった映画館を舞台に、支配人を務める年の差婚夫婦をはじめ、そこへやってくる観客たちの人間模様とドラマを映し出す。この日、3人は本作に俳優として出演している樋口真嗣監督が描いた絵を模したそろいのTシャツを着て登場。中でも染谷は劇中で演じた役柄と同じ金髪のカツラを身につけ、鮮やかさで目を引きつけた。
本編のほぼ全てがシネパトスで繰り広げられる本作だけに、秋吉が「みなさんが座っているところがロケ現場なんです」と映画ファンにはたまらない指摘をすると、染谷も「ここで撮られた映画を、その場所で観るっていうのは他にはない映画体験だと思います」と続け、歴史的にも類を見ないであろう“産直映画”である本作の魅力をアピールした。
染谷と年の離れた夫婦を演じた秋吉は、「人間は夢や快楽がないと、現実感だけでは生きていけない。この2人はそのバランスがちょっと悪くて夢見る部分が多く、その部分で共通してカップルになっちゃった2人。ちなみにわが家もそういう感じです」と自身の夫婦関係にも言及。本作では夫の小野寺・グレン・光と初共演している秋吉だが、劇中のビンタするシーンについて「体調が悪かったので」と思わず力が入ってしまったといい、苦笑いを浮かべていた。
舞台あいさつの最後で樋口尚文監督は、「映画は観客に観られることで完成するという言葉がありますが、まさにこの作品の半分はわれわれが作りましたが、あと半分は映画をご覧いただく皆さんによって完成されると思います」と訴え、染谷も「これからもっと思い出を作りたかったので悔しいです」と閉館の迫るシネパトスとの別れに名残惜しさを見せていた。(取材・文:長谷川亮)
映画『インターミッション』は銀座シネパトスで公開中