竹中直人が人知れず涙…29年前の撮影振り返る
竹中直人が27日、森崎東監督がメガホンを取った映画『ペコロスの母に会いに行く』のクランクアップ後、報道陣の取材に応じ、29年前に森崎監督とタッグを組んだ際、監督の言葉に人知れず涙を流していたことを明かした。
映画『ペコロスの母に会いに行く』クランクアップフォトギャラリー
27歳のとき、映画『ロケーション』(1984)で森崎監督とタッグを組んでいた竹中。この日クランクアップを迎えた『ペコロスの母に会いに行く』について、「また森崎組に帰ってこられてうれしい」と感慨を語る一方、森崎監督を前に、緊張した様子を見せた。
それもそのはず、竹中にとって、森崎監督は師匠のような存在のそうで、29年前の『ロケーション』の撮影を振り返った竹中は、「怒られたとき、お前のままでいろと言われ、その言葉に妙に感動して当時現場で人知れず泣いたのを覚えています」と緊張の理由を明かした。
この日クランクアップを迎えた『ペコロスの母に会いに行く』は、長崎在住の漫画家・岡野雄一が自費出版したコミックエッセイが原作。ユーモアを交えて認知症の母親との生活を描いた作品で、その“「可笑しく」も「切ない」”内容が話題を集めていた。
最後の撮影シーンとなったのは、物語の中盤に登場するシーンで、岩松了演じる主人公のゆういちが、母の通うグループホームで出会った竹中直人演じる友人を励まし、ライブハウスで歌を披露するというもの。少々下品なゆういちの歌う楽曲に、竹中演じる友人が心を和ませていく姿がカメラに収められた。
『ペコロスの母に会いに行く』には、竹中、岩松のほか、赤木春恵、原田貴和子、加瀬亮、温水洋一が出演。森崎監督は、クランクアップに「ホッとした。これで明日からぶっ倒れても大丈夫です」と安堵の表情を浮かべていた。(取材・文 名鹿祥史)
映画『ペコロスの母に会いに行く』は2013年秋全国公開