『おおかみこどもの雨と雪』細田監督の選択は小学生の時!ルパンやガンダムとの出会いが将来を決める!!
2日、三鷹市芸術文化センターで行われた「三鷹の森アニメフェスタ2013」で映画『おおかみこどもの雨と雪』が上映され、細田守監督がアニメ監督になろうと決断した少年時代を振り返った。
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古今東西の優れたアニメ作品を上映してきた本イベントの会場には、三鷹市民を中心とした約200名が来場。今回は1,600名以上の応募があったそうで、細田作品の人気の高さがうかがい知れた。
『おおかみこどもの雨と雪』は、おおかみこどもたちの「選択」がテーマ。細田監督は小学校6年生のときの卒業文集に「将来はアニメ監督になりたい」と書いたことがあったそうで、1979年当時を「映画では『ルパン三世 カリオストロの城』『エースをねらえ!』『銀河鉄道999』に、そしてテレビでは「機動戦士ガンダム」に出会ってしまったすごい年でした」と述懐。さらに「今から考えると、子どもでありながら、将来どう生きたいのか、どういうことを勉強したいのかという表明が小6だった気がする」と付け加えた。
そんな流れから、この日の聞き手である東海ラジオの小島一宏アナウンサーが、アナウンサーを志したのがやはり10歳だったことを知った細田監督は、「この映画でも、雨がどういう風に生きるのかを決めるのが10歳か11歳くらい。一般的に見れば、将来を決断するにはあまりにも早いんじゃないかと思うかもしれない。しかし、子どもの自意識は10歳くらいから安定するところがあって、10歳で感じることは大人になっても受け継がれるところがあるんじゃないかと思うんです」と持論を展開。
そんな細田監督に、会場の小学4年生から「これからも映画を作りますか?」という質問が寄せられ、「僕はアニメ映画が大好きなんですよ。映画はあるひとつの物語の始まりから終わりまで、2時間でいっぺんに観られるでしょ。もちろん3か月とか半年とか1年とか続くテレビの面白さもあるんですが、僕は映画を作りたいですね」と返答。すかさず「あなたは(アニメの)テレビと映画とどちらが好きですか?」と逆質問すると、「映画です」と即答する少年。その答えに「先ほど10歳前後が僕らの運命を決めた年だと言いましたけど、ひょっとしたら彼は今日が、何かの人生をつかんだ瞬間かもしれないですね」と感動した様子の細田監督であった。(取材・文:壬生智裕)