柴咲コウの素顔が見える!?働く女性たちのリアルを描く『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』
益田ミリによる4コマ漫画「すーちゃん」シリーズを映画化した『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』で、柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶという実力派女優の豪華競演が実現した。
彼女たちが演じるのは、葛藤しながら日々を生きる30代の働く女性たち。自分の世界をきっちり持ちつつ恋には臆病なカフェ店員のすーちゃん(柴咲)、上司や部下の心ない言葉と戦う一方で妻子ある男との恋愛に悩む会社員のまいちゃん(真木)、母親と2人で祖母の介護をする日々に恋から遠ざかるウェブデザイナーのさわ子さん(寺島)。「事前に抱いたイメージと、お会いしたときの印象にギャップはなかった」と口をそろえる三人。完成した映画に、それぞれが確かな手応えを感じている。
真木は「自分の出演作はなかなか客観視できませんが、これは普通に観客として観られて、大丈夫だよ! と言ってもらえた気がして。いい映画だと思ってしまいました」と完成した映画を観たときのことを述懐。寺島は「あの撮影が、こうして一つの作品にまとまるのかと新鮮でした。自分が出演しているけど、観ていて嫌じゃないというか……(笑)。“漫画原作モノ”ではなく、一つの映画として観てもらえる作品になったと思います」と自信を見せた。
一方、「観ていてちょっと恥ずかしかったんですよね」というのは柴咲だ。「自分の出演作でも、フィクションの度合いが高ければ客観視しやすい。でもこれは非日常を描く物語ではない分、わたし自身のちっちゃくてかわいい部分が透けて見えてしまう。もちろんすーちゃんとは立場も、人に対する反応や自分の中に流れる時間も全然違うけど、彼女の核にあるものがわたしの中にもあるんでしょう。すーちゃんの思いや葛藤、不安を演じることで、わたし自身のそれが透けて見える気がして。それが、照れた(笑)」と本作から自身の意外な一面が垣間見えることを明かした。
恋に仕事に迷う女性たちの現実をリアルに、そして温かく描いた『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』。本作に登場する3人の女性の姿は、演じた柴咲だけでなく、全ての働く女性たちを映す鏡にもなっている。一歩ずつ前に進んでいく3人の女性たちの姿を見て、日々の悩みに対する自分の心の声にも耳を澄ましてみてはいかがだろうか?(取材・文:浅見祥子)
映画『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』は3月2日より全国公開