ビビアン・スーがノーギャラで協力!安藤政信共演の歴史ドラマ監督&キャストが明かす製作秘話!
日本統治下の台湾で起きた事件を題材にした、ビビアン・スーや安藤政信が出演する台湾映画『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』の来日記者会見が5日都内で行われ、ウェイ・ダーション監督と若き日の主人公を演じたダーチンが出席した。ダーション監督はビビアンが本作出演にあたりギャラを一切受け取らず、製作資金まで貸してくれたことを明かした。
本作はジョン・ウーが製作総指揮を務めた歴史ドラマで、日本統治時代の1930年に起きた台湾原住民・セデック族による武装蜂起「霧社事件」を映画化した二部構成の作品。第一部では、苦しい生活を強いられてきたセデック族が部族の誇りをかけて武装蜂起するまでを描き、第二部では日本の警察と軍による報復、憎しみや家族愛といった感情が交錯する中でセデック族の人々を襲う悲劇が描かれる。
本作に高山初子という役で出演したビビアンについてダーション監督は、「彼女はもともと原住民のタイヤル族出身。出演依頼をしたら『協力します』と即答してくれて、ギャラを一銭も受け取らず、逆に製作資金を貸してくれました。彼女には同じ台湾原住民のために何かしたいという使命感があったんです。現場でもスターとしてふるまうことは全くせず、周囲のみんなと気さくに接していました」と感動的なエピソードを明かした。
さらに日本人キャストの安藤についても「彼はいったん役を引き受けたら全力投球する人で、3か月かけてセデック語を勉強していました。また台湾人にとって安藤さんはスターなのですが、マネージャーもつけず、台湾に一人でやってきた。オフにはあちこちに行って写真撮影やお茶を買ってきたりしていて、不思議な日本人だと思いました」と撮影当時の印象を笑顔で語った。
最後にダーション監督は「一見歴史ドラマで重そうな感じがするけれど、内容は良いし、決して退屈しないしテンポもいい。この映画を通して台湾をより理解してもらえれば」とコメント。ダーチンも「この映画ではわたしも含め、素人の原住民キャストも参加しています。たくさんの人がケガをしたり資金的な問題もありましたけど、みんなで信念を持って完成させた作品です」と日本人へ向けてメッセージを送った。(古河優)
映画『セデック・バレ 第一部 太陽旗』『セデック・バレ 第二部 虹の橋』は4月20日より渋谷のユーロスペース、吉祥寺バウスシアターほか全国順次公開