大友克洋監督、9年ぶりとなる新作でアニメフェア登場!長編アニメも企画中!
映画『AKIRA』などで世界的に知られる大友克洋監督が22日、東京ビッグサイトで開催中の「東京国際アニメフェア 2013」で行われた短編アニメーションのオムニバス作品『SHORT PEACE』の製作発表会見に出席し、長編アニメ企画にも力を入れていることを明かした。
同作で『スチームボーイ STEAMBOY』以来9年ぶりとなる新作アニメ発表となった大友監督。会見では、短編だけなく長編アニメ映画の製作について質問される場面もあったが、「企画を出してはいるものの、東日本大震災の以降資金集めなどで厳しくなかなか冒険ができない状況にあります」とアニメ業界の切迫(せっぱく)した事情を説明。その上で、「(状況は)回復してきているので、企画も出していますし少しずつ動き出すのではないか」と期待を込めて語った。
オムニバスの一遍『火要鎮』については「企画を立てたときにやはり時代劇かなと思ったんです。火事の表現とか、古い絵巻物など日本の古いテイストでやってみたかったので、楽しかった」と強い思い入れで挑んだという。『火要鎮』は第85回アカデミー賞短編アニメ賞のノミネート候補にも上がるなど海外からの注目も熱く「向こうだと着物の柄や繊維の質までCGで出していますが、手書きの感じを出したかったのであまりCGに頼りませんでした。手書きで書いた柄を張り込んでいます」とこだわりも明かした。
また会見では、同作の公開時期が宮崎駿監督の新作『風立ちぬ』と重なることから「意識はしているか?」と質問をされる一幕も。これに大友監督は、「たまたまそうなったので、あまり意識はしていないです」と答えると、さらに「ジブリにはかなわないですから、僕らは僕らで頑張るしかないかな」と謙遜しながら付け加えていた。
同作は日本のアニメーション最先端にいるトップクリエイターたちが、日本をテーマに手掛けた4本の短編アニメ『火要鎮』『武器よさらば』『GAMBO』『九十九』で構成されたオムニバス映画。この日の会見には大友監督のほか、森田修平、岸啓介、石井克人、田中達之、安藤裕章、カトキハジメ、オープニングを担当した森本晃司など、そうそうたる面々が勢ぞろいした。(取材・文:中村好伸)
オムニバス映画『SHORT PEACE』は7月20日より全国公開