『舟を編む』主演の松田龍平が自ら考案したキャッチコピーとは?
公開作が続く松田龍平の最新主演作となる『舟を編む』の取材中、共演した宮崎あおいとオダギリジョーの前で、松田が自身で考えたキャッチコピーを明らかにした。
直木賞作家、三浦しをんの本屋大賞に輝いた原作を、『川の底からこんにちは』が激賞された石井裕也監督が映画化した本作。松田が演じる主人公は、出版社の営業部で持て余されていた真面目すぎる馬締光也。宮崎は馬締が一目ぼれする板前修行中の香具矢を、オダギリは馬締の先輩編集者・西岡を演じ、15年という時間の中に、馬締と香具矢の恋や、馬締と西岡の絆が描かれる。
「龍平くんとオダギリさんの掛け合いがすごく好きで、映画を観ながら何度もクスクスっと笑ってしまいました」とほほ笑むのは宮崎。その掛け合いは、松田が「オダギリさんが何かを仕掛けてくると石井監督が爆笑したのに『西岡のイメージは違うからもうちょっと抑えて』みたいな要求をするのが面白かった」と証言するように、オダギリ発信だったという。オダギリは「馬締の周りで右往左往するだけでも成立すると思ったので、どこまで遊べるか探ってみたら、監督が意外と固かった」と苦笑いを見せた。
本作の魅力を「編集部のみんなの、何年もかけて一冊の辞書を作り上げる情熱」と語るオダギリの言葉を受けて、松田も「辞書作りは専門的な仕事に見えますけど、載っているのはみんなが日常的に使っている言葉。すごく身近な話だと思うし、言葉ではなく言葉にまつわるドラマなんですよね」と続ける。そしてボソボソとしたトーンでこうつぶやいた。「体育会系男子だけじゃなくて、文系男子もアツい!……みたいな感じ」。このキャッチコピーに、思わず「おお!」という表情を見せる宮崎とオダギリに「お客さんが来てくれるかなと思って考えました」と笑う松田。確かにこの映画、文系男子が静かに燃えている。(取材・文:須永貴子)
映画『舟を編む』は丸の内ピカデリーほかにて4月13日より全国公開