日本は相手の弱みにつけこむような国ではない…宗男元秘書ムルアカ氏、日本の支援を称賛
新党大地代表の鈴木宗男氏と、ザイール(現・コンゴ民主共和国)出身でかつて鈴木氏の秘書を務めたムルアカ氏が28日、映画『魔女と呼ばれた少女』のトークイベントに登壇、2人の出会いや日本の現地支援について語った。
かつて鈴木氏の秘書を務め、タレント活動でも知られたムルアカ氏。鈴木氏が彼と出会ったのは、オスマン・サンコンの紹介がきっかけだったといい、「アフリカに学校を作ってほしい」と言われた過去を述懐。続けて、「学校は人づくり、そして国づくりにつながるんです。21世紀はアフリカの世紀だと思いました。政治が安定して市場経済が行き渡れば、世界に貢献する地域になると思ったんです」と展望を力説しながら当時を振り返った。
コンゴから帰ってきたばかりというムルワカ氏はそれを聞くと、ケニアやモザンビークを例として挙げ、「鈴木代表や日本の貢献で国が安定しました」という感謝の言葉と共に、「日本は相手の弱みを握って何かをすることはしない。信頼を得てたくさんの国が安定した」と日本のアフリカへの支援を称賛していた。
本作はアフリカの子ども兵問題に焦点を当てた人間ドラマ。コンゴを舞台に、戦争に巻き込まれた1人の少女が希望を持って行動する姿が描かれる。自ら現地を訪れた経験をも持つ鈴木氏は、「映画に出たのはゴマと言う地域なんです」とその知識を披露。当時はルワンダ難民の時代で「20年から25年前くらいでしたかね。そのころは日本にプレゼンス(存在感)があったんですが、今は中国に取って代わられています」と残念そうな表情を見せる。
トーク中その鈴木氏の口からは辻元清美議員や鳩山邦夫議員、鳩山由紀夫元首相の名前が飛び出す場面も。「政治の究極の目的は世界平和だと思っています。協力や援助はできる範囲でやれば良い」と持論を展開した鈴木氏が、「今の政治家は心がなくなっていてだめですね」と彼らを一蹴すると観客から笑いが起こった。
最後に鈴木氏は、映画を踏まえ「現実にこういう場所があることをわかってほしい」とコメント。さらに「日本は不景気だといっているが、まだまだ力がある。日本の支援が大きな力になります」と現地への支援を呼び掛けると、ムルワカ氏も「他人事ではなく、自分のこととして、少しでも行動してほしい」と提案していた。(取材・文:県田勢)
映画『魔女と呼ばれた少女』は、シネマート新宿で公開中