レディー・ガガから日本のCMまで、今ヒッチコックが大ブーム!?
この世を去ってから、すでに30年以上たつ現在も「サスペンスの神」と称される映画監督アルフレッド・ヒッチコックが今、世界的ブームになっている。映画界はもちろん、さまざまなメディアで彼の名作が「復活」しているのだ。
誰もが認める世界的なアーティストであるレディー・ガガ。そんな彼女をトップアーティストに導いた曲の一つが、2009年にリリースされた「パパラッチ」だが、そのミュージックビデオの冒頭シーンが、ヒッチコックの名作『めまい』にオマージュをささげていると、ローリングストーン誌が伝えているのだ。
また、ハリウッドではここ数年「ヒッチコック・ムーブメント」が明らかで、映画『鳥』には8年ほど前からリメイクの話があり、3D映画となるうわさも持ち上がった。そのほか、『断崖』『レベッカ』と現在、次々とリメイクの話が進んでいる。映画だけではなくブロードウェイミュージカルにもヒッチコック作品は進出しそうで、『裏窓』の原作をミュージカル化する権利を『チアーズ!』のミュージカル版を手掛けたプロデューサー陣が獲得している。
さらに、世界的な「ヒッチコック・ムーブメント」は日本にも拡大。2011年以降オンエアされた、松田翔太と中村獅童のサントリー「ボス ハーフ&ハーフ」や、福山雅治の東芝「REGZA」のCMに、ヒッチコックがナレーションと製作(一部では監督)を務めた伝説のテレビシリーズ「ヒッチコック劇場」の音楽が使われているのだ。
こうしたムーブメントの集大成といえるのが、4月5日(金)公開の映画『ヒッチコック』だろう。ヒッチコック作品の中でも、後世に多大な影響を与えたことで有名な『サイコ』の撮影時の舞台裏を再現する本作は、妻アルマとのドラマも克明に描き、巨匠の真の顔が見えてくる。今なお、さまざまなジャンルに刺激を与え続けるヒッチコックは、どんなアーティストだったのか? その「真実」を、ぜひスクリーンで再確認してほしい。(文:斉藤博昭)
映画『ヒッチコック』は4月5日(金)よりTOHOシネマズシャンテ他全国公開