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「藁の楯」って……? 大沢&松嶋の考える意味深なタイトルの謎

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三池崇史監督による演出のもと、鬼気迫る熱演を披露した大沢&松嶋
三池崇史監督による演出のもと、鬼気迫る熱演を披露した大沢&松嶋 - 撮影:金井堯子

 壮大なスケールとスピード感が観る者を圧倒する映画『藁の楯 わらのたて』で、日本全国民を敵に回し、少女を惨殺した殺人犯という「人間のクズ」を命懸けで守り、移送するSPを演じた大沢たかお松嶋菜々子が、その悶々(もんもん)とした葛藤に包まれた撮影の日々を振り返った。

 「そんなやつを守る必要がどこにある」と映画の中の大衆同様、観るわたしたちも思わずにはいられない。演じながら自身も深く葛藤したのでは、と問うと、大沢は「もちろん悶々とした葛藤をずっと抱えていました」と認めつつ、「現場で元SPの方に聞きながら、理解しようと努めた感じです」と映画の中とは打って変わって、爽やかな笑顔を見せた。

 一方、松嶋は「演じた白岩は要所要所で感情をむき出しにするので、わたし自身は意外とストレスはなかったんですよ」と、これまた映画とはガラリと異なるふんわりとした笑顔で答える。松嶋演じる白岩の暴言で観客の憤怒もガス抜きさせられるという仕掛けで、鋼鉄の意志を持つ男・銘苅を演じる大沢とのコンビネーションの良さが効く。

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 激しいアクションで観客をグイグイ引きつけながら、正義とは、悪とは、人間とは……といった問いを終始突き付ける本作。その鬼気迫る空気を現場でどう体感したかについて尋ねると、「日射病でスタッフが次々倒れていく異常な暑さが、狂気の世界に入り込むスイッチになった気がする」(大沢)、「リアルな汗をずっとかき続けていましたね」(松嶋)と、壮絶な現場の模様が明らかに。

 最後に、「藁の楯」という意味深なタイトルについて尋ねると、大沢は「対象者を守るべく楯になるのがSPですが、SPだって人間だから、悩むし、迷うし、道も間違える。なるほど、本当にいいタイトルだなぁ、と撮影が終わったときに実感しました」とクリアな解釈を披露。観る者をも悶々とした葛藤の渦に力ずくで巻き込む本作は、九州から東京への困難な道のりの中で、「人間としてこう生きたい」という自分なりの正義を観る者に自覚させてくれる、激しくも深いアクションドラマだ。(取材・文:折田千鶴子)

映画『藁の楯 わらのたて』は、4月26日より全国公開

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