3D映画、すでに下り坂? 今年の観客動員数が前年を下回る見込み
今年の3D映画の観客動員数が、昨年を下回る予測が発表された。近年のハリウッドでは3D映画の観客動員数は毎年増えており、もしも前年を下回れば、『アバター』(2009)が大ヒットした2009年以来、初めてのこととなる。(数字はBox Office Mojo調べ、1ドル90円計算)
格付け機関のフィッチ・レーティングスの調査によると、3D映画の観客動員数が前年を下回ることになるという推測の第一の根拠となっているのは、今年のラインナップ。今年の3D大作には『アイアンマン3』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』『マン・オブ・スティール』があるが、北米だけで6億ドル(540億円)以上を稼ぎだした『アベンジャーズ』に並ぶのは難しいだろうとのことだ。
また、観客の3D離れも同社は指摘。「観客はすでに3D映画の急増によるメリットを十分に享受しています。ですが、その分3Dに慣れてきているのです。なので、今後は作品のクオリティーが一層重視されるでしょう。その際は、3D映画のチケット料金が通常よりも高いことがネックになります」と分析している。
実際、先週末の時点で北米地域の総興行収入は、前年比で12パーセントダウン。3D映画はチケット料金が割高のため、興行収入に直結しやすい。その3D映画のヒット作に恵まれなかったことが、今年の成績不振の一因となっているのだという。
日本でもすっかり定着した感のある3D映画。その一方で『アバター』(2009)を超える作品はいまだ出てきていないという見方もあり、近いうちに更なるクオリティーの3D映画が出てくるかどうかが、今後の3D映画の行方を占うことになりそうだ。(編集部・福田麗)