映画泥棒が乱入!意表をつく演出で著作権保護を猛アピール
「世界知的所有権の日」にあたる4月26日、映画の著作権保護等の活動を行なっている日本国際映画著作権協会(MPA/JIMCA)が映画『リンカーン』の記念上映会を実施。ジョン・V・ルース駐日米国大使が基調演説を行なった直後、「No More 映画泥棒」でおなじみのキャラクターが乱入するという一幕があり、意表をついた演出に会場がどよめいた。
本イベントのゲストとして招かれたルース大使は「クリエイティブな精神にあふれる映画業界は、最も革新的な産業の一つ。数年前までは想像すらできなかった技術で、わたしたちをいつも魅了してくれる」とたたえながらも、「しかしその技術革新は、いずれも決してたやすい道のりではないはずだ。違法な海賊版は、膨大な時間と資源を費やし、常に新しいものを生み出してきた映画製作者の思いを損なうもの。決して許してはならない」と強調した。
また、記念上映される映画『リンカーン』について、「とても素晴らしい作品。わたしはもう2回観ましたが、皆さんにもきっと楽しんでいただけることでしょう。リンカーンは、真のイノベーター(革新者)でもあるんです」と自国の作品をアピール。すると客席に何かを見つけたらしく、突然、「わたしは顔が『カメラ』でできている人の前で演説をしたのは初めてだ」とコメントし、会場を笑いの渦に巻き込んだ。
すると、ルース大使の思わぬ通報(?)により、イベントは基調演説から寸劇へ急展開。「No More 映画泥棒」の「カメラ男」が潜伏していることが発覚し、すぐに「パトランプ男」が駆け付け取り押さえるという意表をつくパフォーマンスが行われた。これには会場もどよめき立ち、それまで水を打ったように静かだったイベントは一気に盛り上がりをみせた。
最後に、この日、ルース大使と共に登壇したMPA/JIMCA代表取締役の味村隆司から改めてメッセージが伝えられ、「わたしたちのゴールは、エンターテインメント市場の拡大。そのためにも、違法なダウンロードやアップロードを許さない環境を作っていきたい」と力強く締めくくった。(取材・文:坂田正樹)
映画『リンカーン』は上映中