イタリアに盆栽愛好家多し!「盆栽ケアの芸術」剪定と整枝にイタリア人興味津々!
イタリアで開催された第15回ウディネ・ファーイースト映画祭で、市内各所でアジアン・カルチャーをより深く理解してもらうべく、多彩なイベントが行われてた。現地時間21日には市内の公演で、「盆栽ケアの芸術」と題した剪定と整枝のデモンストレーションが行われた。
日本貿易振興機構(ジェトロ)などが2010年に発表した「欧州地域(イタリア・ベルギー)における盆栽輸出可能性調査」によると、欧州の中でもとりわけイタリアは盆栽愛好家が多いそうで、盆栽大学や盆栽ミュージアムも存在。その立役者となったイタリア盆栽界のパイオニアであるルイージ・クレスピ氏には昨年、日本政府から旭日双光章が叙勲されたほどだ。
今回は、盆栽クラブ・ウディネのメンバーが講習を実施。同クラブは1985年に設立され、メンバーはイタリア人ばかり約30人。愛好家同士の交流と盆栽の魅力を広めるべく、定期的にイベントを実施しているという。この日は老若男女約20人ほどが観賞に訪れ、盆栽の歴史などを聞きながら約2時間のデモンストレーションを熱心に見つめていた。
ほか、日本関連のイベントだけでも、折り紙に水墨、俳句、着物といった伝統的なものから、ロリータ・スタイル・メイクアップ講座に原宿ファッションウォークといった最新の日本カルチャーまで。さらに今月25日には、今年で第4回を迎えるコスプレコンテストが行われ、欧州中からコスプレーヤーたちがウディネに集結する予定だ。
ウディネは人口約10万人の小都市で、映画祭の歴史はまだ浅い。しかし、こうした市民を巻き込んでの交流イベントが結果的に映画祭の観客動員にも繋がっているようで、連日1,200席のメーン劇場はほぼ満席状態が続いている。(取材・文:中山治美)