元007ピアース・ブロスナン、愛さえあればチャンスは来る!最新作でメッセージ!
映画『007』シリーズのボンド役で知られるピアース・ブロスナンが、『未来を生きる君たちへ』でアカデミー賞外国語映画賞に輝いたデンマークの俊英スサンネ・ビア監督と初タッグを組んだ最新作『愛さえあれば』について語った。
本作でブロスナンが演じるのは、仕事一筋といえば聞こえはいいが、ワーカホリックと化し、愛妻の死という現実から逃避している熟年男性・フィリップ。かつて妻を亡くしているブロスナンは、物語が進むにつれこの仕事中毒の男が少しずつ変化を見せ、新たなる人生を花開かせていく過程が本作の何よりも最高な部分なのだと、その魅力を力説する。
以前から尊敬していたというビア監督との仕事もとても楽しかったようで、ハンディカムを駆使し、即興も含め、役者たちに自由に演技をさせてくれる演出手法には大満足だった様子。デンマーク人俳優、そしてスタッフたちとの仕事についても「最高だったよ!」とゴキゲンな様子で語る。
特に南イタリア・ソレントのヴィラ(邸宅・別荘)に滞在しながらの撮影は印象的だったといい、日曜日にはみんなでランチをしたり、ボートでアマルフィ海岸にある町まで繰り出すなど、「本当に魔法にかかったような毎日だったね。将来はイタリアに移住してもいいと思えるほど気に入ったよ」と撮影を振り返った。
『007』シリーズなどでこれまで何度も来日を果たしているブロスナン。先日日本で行われたの試写会の評判も良かったといい、多くの女性がブロスナンの演じるフィリップに恋をしていたようだと伝えると、「それは本当にうれしいことだよ!」と声を弾ませた。本作は本国デンマークで興行的に大成功を収め、イギリスやアメリカにおける評判もなかなかいいとのことだ。
この映画の全てがあまりにもいとおしく、「ここだ!」というおすすめのワンシーンを選べないというブロスナン。「とにかく素晴らしくロマンチックなテーマが下敷きにあり、人はまず自分を信じることからスタートし、そこからまた新しい人生を始めることができると教えてくれる作品なんだ。僕らが新しいチャンスを与えられるのは、『愛』があればこそなんだよ!」と酸いも甘いもかみ分けた大人だからこその、重みある発言で締めくくった。(取材・文:平野敦子)
映画『愛さえあれば』は5月17日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開