黒髪美少女からハリウッド映画のヒロインに 初音映莉子、半年でバイリンガル顔負け!
トミー・リー・ジョーンズ、ドラマ「LOST」のマシュー・フォックスら一流のスタッフ・キャストが集結したハリウッド映画『終戦のエンペラー』のヒロインに抜てきされた女優の初音映莉子が、現在の心境を語った。
終戦直後の日本に降り立ったマッカーサー元帥(ジョーンズ)から、太平洋戦争の責任者追究を命じられたボナー・フェラーズ(マシュー)の活動を通じて、戦後の知られざる歴史を描き出す本作。劇中で初音は、フェラーズと恋に落ちる日本人女性アヤにふんしている。
ほぼ全編にわたっての英語のセリフが必須であったが、初音はもともと英語が話せなかったとは思えないほどに、堂々たる演技を見せる。レッスンはクランクインの半年前から開始。とにかくひたすらセリフを反復し、身に付けることに専念したそうだが、「一番大事なのは、英語を忘れて、アヤとしてそこにいるということ。英語はもちろん課題でしたが、入り口の一つにしか過ぎなかったですね。ただし、その入り口が固い扉でしたが」と笑顔で振り返る。
キャリア初期には、伊藤潤二原作のカルトホラー『うずまき』に主演。摩訶(まか)不思議な世界観の中にたたずむ黒髪の美少女ぶりがファンの間で話題となった。「17歳くらいのときに出た映画です。今考えると、あのときは芝居って何だろうと思いながらやっていました。それは今でもそうですけどね」と笑うが、その後も初音は、映画にドラマ、舞台、CMなどで一歩ずつ、しかし着実にキャリアと実力を積み重ねてきた。
「今後も絶対に海外の映画に出るんだとか、そういったことは考えていません。どこの国であろうと、作品の大小に関係なく、自分はやらなきゃいけないことをやるだけですし、一つ一つの出会いを大事にしながらここまで来たという感じなんです。それは今回も同じこと。とてもいい人たちとの出会いがありましたし、そんな瞬間に幸せを感じます」と真っすぐなまなざしで語る初音。本作でのアヤという役柄同様、その物腰は柔らかだが、内にしっかりとした芯の強さを秘めているようにも見えた。(取材・文:壬生智裕)
映画『終戦のエンペラー』は7月27日より全国公開