三木聡監督、1人33役の亀梨和也を絶賛! 切り替えの早さの秘密に迫る!
1日、KAT-TUNの亀梨和也が単独初主演で33役に挑戦した映画『俺俺』のトークショーがヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、三木聡監督と評論家の宇野常寛が対談し、亀梨が1人33役を演じ切った秘訣に迫った。
亀梨が大学生や警官、さらには巨乳美女までさまざまな“俺”を演じる奇抜な設定で話題を呼んだ同作。ワンシーンに亀梨が3人登場するシーンもあり、撮影時にはそこにいない自分との距離感や間合いを取らなくてはいけないほか、キャラクターを瞬時に演じ分ける切り替えの早さなど高い演技力が求められるが、三木監督は「試写で合成したものを観たとき、本当に3人で演じているようにしか見えなかった。日中の撮影でも太陽が上がっているうちに撮らないといけないので、亀梨は3分くらいで着替えて、こっちに向かってくる間に姿勢とかキャラクターも変わっていた」と撮影中の亀梨を大絶賛した。
そんな亀梨の切り替えの早さの秘訣について、三木監督は「夜の10時まで3役を交代しながらへろへろになって撮り終えて、テレビをつけると亀梨が出ていた」というエピソードを明かすと「あれはある種異常だけど、それぞれのキャラクターを何らかの形で演じ分けているのではないか」と亀梨が日ごろからアーティストやアイドルなどさまざまな自分を演じているからこそできる芸当ではないかと指摘していた。
それを裏付けるように、三木監督は亀梨本人の「12歳から(芸能活動を)始めて10何年。その内、純粋な亀梨和也の時間は3年もないんですよ」「普通に歩く演技をしようと思っても、普通に歩くとみんなが知っている『亀梨和也』という、パブリックでどこかかっこつけているイメージがあるので、それをどう排除していくことに苦労した」という言葉を紹介。常に何らかの自分を演じているとも思える亀梨の、苦悩と努力が詰まった撮影の裏側に会場からは感嘆の声が上がっていた。
同作は星野智幸の同名小説を『インスタント沼』などの三木聡がメガホンを取った異色作。代わり映えのしない日々に悩む主人公が出来心で罪を犯したことをきっかけに、33人もの“俺”が増殖していく恐怖をユーモラスに描く。(取材・文:中村好伸)
映画『俺俺』は全国公開中