西島秀俊主演『ハーメルン』、9月公開決定!幾度も製作中止の危機を乗り越え…
俳優の西島秀俊が主演を務める映画『ハーメルン』が、今年9月に公開されることが決定した。本作は、福島県会津地方を舞台に、廃校となった学校で一人静かに暮らす年老いた元校長と、過疎が進むその村に暮らす人々の記憶を穏やかに描いた作品。西島はかつて、廃校となるまでその小学校で学んだ主人公・野田を演じる。
舞台となる廃校を求め、全国を探し歩いていた監督が、福島県大沼郡昭和村にある小学校にたどり着いたのは2009年1月のこと。この小学校はすでに解体されることが決まっていたが、監督からの申し出に村長をはじめとする村の人々が理解を示し、撮影終了まで保存されることが決定した。
ところが、同年秋から予定されていたメインの撮影は諸般の事情により1年延期に。その後も風景の撮影は続けられていたが、翌年秋の撮影はイチョウが色づく前に雪が降るという異常気象の影響でまたもや中断されることとなった。さらに、脚本を春の設定に書き換え、2011年5月の撮影再開に向けて準備を進めていた矢先に、あの東日本大震災に見舞われた。
一時は製作続行断念も検討された本作だが、2011年11月に脚本の改訂を経て、撮影を再開。そして、今年9月ようやく公開される運びとなった。
メガホンを取るのは、長編第1作『美式天然』が第23回トリノ国際映画祭で日本人初のグランプリ&最優秀観客賞W受賞を果たした坪川拓史監督。主人公を温かく見守る恩師の娘・リツコを倍賞千恵子が演じる。(編集部・中山雄一朗)
映画『ハーメルン』は9月7日よりユーロスペースほか全国順次公開