賛否両論の新作!プーチン政権に不満のフェミニスト・パンク・ロック集団プッシー・ライオットの活動を追う
サンダンス映画祭で話題になった新作『プッシー・ライオット:ア・パンク・プレイヤー(原題) / Pussy Riot: A Punk Prayer』について、共同監督マイク・ラーナーとマキシム・ポズドロフキンが語った。
同作は、ロシアのフェミニスト・パンク・ロック集団プッシー・ライオットのメンバー3人の女性、マリア(マーシャ)、ナジェージダ(ナディア)、エカチェリーナ(カティア)が、モスクワのロシア正教会救世主ハリストス大聖堂で、プーチン政権を批判する無許可演奏を行って逮捕され、裁判にかけられた過程を描いている。
マーシャとナディアには子どもがいるが、「彼女たちは2年の禁固刑を下されるほど厳しい(行為)とは思っていなかった。だが彼女たちがリスクを背負ったのもロシア社会の変革を求め、子どもたちも含めた将来のためなんだ。そんな変革への活動は、それなりの代償を払わなければいけない」とマキシムは語った。
バンドの評価は「パンクで、計算された下品な要素を意図して演奏しているが、(歌詞が)より雄弁だったり、好ましかったら、もっとシリアスな評価をされたが、ホームメイド的な要素が強い」とマキシムが評価し、一方マイクは「ロシアはアメリカの1977年のパンクブームなかったから、ラウドロックの受け入れが、逆に人々の拒否も招いている」と述べた。
来年、ソチ冬季オリンピックで同バンドの刑罰への抗議を行う人々への政府の対応について、マキシムは「すでに抗議キャンペーンは行われていて、『ノー・プッシー・ノー・ゲイン』と記されたバッジが渡されている。来年3月に釈放されるが、ソチオリンピック開催の2月よりも前に釈放し、世界中にこの抗議活動をさらさせない手段を取る可能性もある」と語った。
映画は、プッシー・ライオットを神への冒とくとする人々と、抑圧したロシア社会で生きる民衆の声と評価をする人々とさまざまで、鑑賞後は議論を呼ぶ映画であることは間違いない。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)