松ケン、オール福島ロケ映画で主演!警戒区域の故郷に戻る男と家族の物語
俳優の松山ケンイチが、東日本大震災以後の福島県を舞台にした映画『家路』で主演を務めることが明らかになった。撮影は今月より始まり、オール福島ロケを敢行している。
本作は、高校時代にある罪をかぶって福島県の生家を出た主人公・沢田次郎(松山)が3.11以降、放射能によって誰も住むことができなくなった故郷に戻り、また暮らし始めるさまを描いたドラマ。その過程でバラバラになった家族が再会する。脚本は『独立少年合唱団』『スープ・オペラ』の青木研次が手掛け、ドキュメンタリー出身の久保田直監督がメガホンを取る。
警戒区域に指定された故郷に戻ることを決心する主人公にふんする松山は、自身の役柄について「次郎というキャラクターは人間界と自然界があれば自然界で生きようとする役柄。自然を抱擁しようとする大きな人間の美しさが脚本に表現されています」と評しつつ、「自然と人間」というテーマにも言及。「素晴らしい脚本の美しさを損なわないように観客の皆様に届けたいと思っています」と俳優としての意気込みを明かした。
そうした俳優陣の真剣さは監督にも伝わっている。久保田監督は「本気で考えて現場に入ってくれているキャストの方々との現場は、劇映画という“虚”を撮りながら、“実”を感じることができて、非常に手応えを感じています」とこれまでの撮影を振り返り、「これまでドキュメンタリーを撮ってきましたが、ドキュメンタリーでは描ききれないものを、本作で描きたい、描くことができるのでは、と思っています」と仕上がりへの期待をうかがわせた。
共演には、必死に家を守ってきた松山の兄役で内野聖陽、その妻役で安藤サクラ、松山と内野の母親役で田中裕子。ほかに、山中崇、光石研、田中要次、石橋蓮司が脇を固めている。(編集部・福田麗)
映画『家路』は来春公開予定