映画『ベルセルク』はSTUDIO4℃新たな挑戦!制作陣が「全体で暴走」した現場振り返る
映画『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』のブルーレイ&DVDの発売を記念したオールナイト上映イベントが21日、新宿バルト9で行われ、監督の窪岡俊之や田中栄子プロデューサーらが登壇、制作を支えた現場の熱気を語った。
この日のイベントでは、映画『ベルセルク』三部作でアニメーション制作を務めたSTUDIO4℃の代表作を上映。STUDIO4℃といえば、『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』などでラインプロデューサーを務めた田中が主宰し、意欲的な作品を発表し続けることで、世界的に注目を浴びているアニメスタジオ。それだけに、同スタジオが大人気コミック「ベルセルク」の映画化を手掛けるという発表は、当時アニメファンの間でも大きな話題となった。
原作漫画は緻密な描写に支えられた圧倒的なファンタジー世界が特徴のひとつ。これについて田中は「甲冑をアニメで描くなんて暴挙」といいながら、「挑戦だった」と述懐。一方で「難しいことがあると挑戦したくなるのが4℃です」と同社の姿勢を熱っぽく語る。その挑戦を受けて三部作に挑んだ窪岡監督も、「劇場作品を中心にやってこられた会社なので(ほかのスタジオと比べて)全然違いました。スタッフや田中さんの粘りがすごく、本当についていくのが大変だった感じもありましたね」とその熱気を振り返った。
製作の現場では監督の暴走をプロデューサーが抑えるケースもあるが、田中いわく本作は「監督以上に個々のスタッフの情熱も熱く、現場全体で暴走している感じがありました」とのこと。窪岡監督もうなずきながら「田中さんが知らないところで、スタッフが(作品を)手直しをしていることもありました」と明かしていた。
この日のイベントでは、劇場では限定公開だったR-18版の同作に加え、『鉄コン筋クリート』『MIND GAME マインド・ゲーム』『MEMORIES』の4作品を上映。トークゲストには田中と窪岡監督のほか、『鉄コン筋クリート』のマイケル・アリアス監督、漫画家でコラムニストの杉作J太郎が登壇し、4℃作品について熱いトークを繰り広げた。(取材・文:中村好伸)
映画『ベルセルク 黄金時代篇 III 降臨』ブルーレイ&DVDは発売中 各税込み価格7,140円(ブルーレイ) / 5,040円(DVD)