イライジャ・ウッドが連続殺人犯に挑戦した新作『マニアック』
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのイライジャ・ウッドが、新作『マニアック』について語った。
イライジャ・ウッドが連続殺人犯役で新境地『マニアック』の写真ギャラリー
同作は、深夜女性をターゲットにした猟奇殺人が多発する街に住むマネキンの修復師フランク(イライジャ・ウッド)は、生身の人間を愛せなかったが、ある日女性カメラマンのアンナと出会い彼女を信用し始めた矢先、彼女はフランクに友人以上の感情を持っていないことがわかり、フランクは豹変(ひょうへん)し始める。1980年に製作されたスプラッシュホラー『マニアック』のリメイクを、映画『ピラニア3D』のアレクサンドル・アジャが製作し、映画『P2』のフランク・カルフン監督がメガホンを取っている。
出演経緯は「製作総指揮のアリックス・テイラーから、ほとんどP.O.Vで撮影する映画『マニアック』のリメイク作品に連続殺人犯として出演してみないか?と言われたんだ。僕個人はリメイク作品は好きではないが、リメイク作品を全く違った観点で描くことと、アレクサンドル・アジャとタッグを組めることに魅力を感じた」と参加理由を明かした。
マネキンの修復師という仕事は「実際にこういう仕事があり、様々な修復用の道具を持ち込んで修復する。人が思うほど(マネキン修復は)気持ち悪いものでもないんだ」と答え、さらにイライジャと共演した俳優たちについては「映画内で80%は僕がカメラに映らず、俳優たちは僕の言葉に反応しているため、彼らにとっては演技が難しかったようだ」と通常の撮影よりも違和感があったようだ。
連続殺人犯の演技は「僕自身が映し出されている時間が少ないため、距離を置いて連続殺人犯の心理にアプローチができ、僕はメソッド手法(役柄の感情を追体験して自然な演技を行う)を使わないため、連続殺人犯の心理だけが頭の中を支配することもなかった」と語り、80年代のリメイク作品の人々の反応は「大概、映画ファンはオリジナルの作品を擁護するが、今作の反応が良かったことはありがたかった」と笑顔で答えた。
映画は、これまで正直でまっすぐな好青年の役柄が多かったイライジャが、俳優として新境地を開拓している。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)