里見浩太朗&『るろうに剣心』大友監督、アクションは高度な芝居とあふれる愛告白!
「第1回ジャパンアクションアワード」で特別顧問を務める里見浩太朗と、同アワードで4冠に輝いた映画『るろうに剣心』の大友啓史監督が、日本映画のアクションの基本ともいえる、時代劇の殺陣について熱く語り合った。
その年に最も素晴らしいスタントパフォーマンスを披露した日本のアクション俳優・作品・スタントマンを表彰する同アワードは、日本俳優連合が中心となって開催。日本のアクション業界、スタントマン業界を盛り上げるべく開催される。
そんな記念すべき賞の特別顧問を、時代劇界の大スターである里見が務めたことに大友監督は「本来、吹き替えをする役者さんをしっかりと見ていないといいスタントはできないんです。いいスタントマンは芝居心もあるし、アイデアも豊富。でも、そういう裏方さんが認められる機会は今までなかなかなかった。そこに里見さんがお越しになるのは素晴らしいことだと思う」と笑顔を見せた。
かつて東映のチャンバラスターとして名をはせた里見。その後もテレビ、舞台、映画などで数多くの立ち回りを披露してきたが、時には「顔を切られたこともあった」という。一度切りかかった敵の刀をはねあげ、さらにもう一度、敵が襲い掛かってきたところを里見が切る……という流れだったのが、敵役の俳優が段取りを間違えたことで、よけきれなかった里見が顔にけがをした。しかし里見は冷静に「撮影所のどこにアロエの木が生えているか、というのが頭の中に入っていたから、玄関のすぐ横にあるアロエの木のところまで走って行って、傷口に当てたらすぐに血は止まりましたよ」と述懐した。
まさに、ちょっとした手違いが大けがにもつながるアクションの世界。里見も「相手に体を預けるわけですから、信頼関係がないとできない仕事。非常に高度な芝居なんですよ」と切り出すと、大友監督も「(映画黄金時代の)時代劇スターの系譜に里見さんは連なるわけです。スタントや殺陣のすごさ、大切さを体で知っている方ですからね」と付け加える。NHK時代に大友監督が演出を担当した大河ドラマ「龍馬伝」で、里見が千葉定吉役を演じたことからの付き合いとなる二人は、アクションを心から愛するという共通項を持つ。今回二人が参加した「ジャパンアクションアワード」をきっかけとして、日本アクション界のさらなる地位向上に期待したい。(取材・文:壬生智裕)(取材・文:壬生智裕)