『アベンジャーズ』監督がシェイクスピアに挑戦!喜劇「空騒ぎ」の現代版ラブストーリー!
映画『アベンジャーズ』で名をはせたジョス・ウェドン監督が、新作『マッチ・アドゥー・アバウト・ナッシング(原題) / Much Ado About Nothing』について語った。
同作は、ウィリアム・シェイクスピアの喜劇「空騒ぎ」を現代設定にして、クローディオとヒーロー、ベネディックとベアトリスの2組のカップルが織りなす恋の物語を中心に描いている。
『アベンジャーズ』のウェドン監督が、シェイクスピア喜劇を描いたのは「シェイクスピア作品は僕の人生の一部で、ずっと好きだった。実は『アベンジャーズ』の撮影後、編集する前に妻と休暇を撮る予定だったが、彼女からその前にこの喜劇を製作するよう勧められた。これまで自宅で俳優の友人を集めてシェイクスピアの朗読を行ったり、妻が自宅を増築した際に建てた場所が『空騒ぎ』のレオナートの豪邸に適していたりで、全て製作への準備が整っていたんだ」と語った。
設定は現代だが、シェイクスピアのセリフは変更されていない。「(シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』を基にした)映画『恋のからさわぎ』は素晴らしいが、セリフが現代語だ。シェイクスピアのセリフは現代風にはできない。それは、彼が描いた人間性とセリフこそが全てだからだ。シェイクスピアのセリフには音楽や息吹が吹き込まれ、キャラクターさえ決して触れることはできない。もちろん映画の長尺のためにカットする箇所はあったが、400年以上たった今も多くの国や文化に影響を与え、人々の間で反響する構成は変えられない」と答えた。
俳優の演出は「シェイクスピアを手掛けることは(ベアトリスを演じる)エイミー・アッカーに出会うまで思わなかった。ただ、これまで他の作品で素晴らしいと思った俳優たちをキャストしてヤケド(作品が失敗)したこともあったから、あえて2、3シーンを基に2日間のテストスクリーンを行った。それは、まるで恋の呪文にかかり、馬鹿げた行動を取ってしまう『真夏の夜の夢』みたいな関係を(『空騒ぎ』の)俳優同士で描きたかったからだ」と明かした。
映画は、ハリウッド大作とは異なった新たなウェドン監督の才能が見られる作品になっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)