真木よう子主演『さよなら渓谷』が審査員特別賞!48年ぶりの快挙【第35回モスクワ国際映画祭】
女優・真木よう子が7年ぶりに単独主演した映画『さよなら渓谷』が、第35回モスクワ国際映画祭コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した。同賞を日本映画が受賞するのは『手をつなぐ子ら』(羽仁進監督)(1965年、第4回)以来、48年ぶりの快挙。現地時間29日にロシア・モスクワで行われた同映画祭閉幕式(授賞式)に出席した真木は、「もう本当にうれしいです!! びっくりしました。この映画はみんなが一丸となって作った作品です。その作品が評価されたのは、報われたような気持ちで本当にうれしいです」と感無量の面持ちを見せた。
「深い人間関係」の描写が評価された本作。受賞スピーチを行った大森立嗣監督は、「ありがとうございます。とてもうれしいです。日本で作った小さな映画ですが、モスクワ映画祭で賞を受賞して胸を張って日本へ帰れます。モスクワのことがすごく好きになりました」と喜びをあらわに。真木の夫役を務めた大西信満は「手ぶらで帰ることにならなくてうれしいです! 本当に感激しております」と心境を明かした。真木、大西、大森監督の3人は、現地時間28日に記者会見、公式上映、舞台あいさつを行い、29日にレッドカーペットと閉幕式セレモニーに参加した。
『さよなら渓谷』は、芥川賞作家・吉田修一の同名小説を大森監督が映画化。レイプ事件の被害者と加害者が夫婦であるという設定の下に、男女の極限の愛を描く。大森南朋、鈴木杏、井浦新、新井浩文、鶴田真由など豪華共演者が顔をそろえている。
世界四大映画祭の一つでもあるモスクワ国際映画祭は、ロシア・モスクワで2年に1度開かれる国際映画祭。第35回となる今回は6月20日から29日まで同地で行われ、コンペティション部門には、日本から唯一本作が選出されていた。世界の映画業界で話題を呼ぶであろう作品を上映するGALA(ガーラ)部門では、実生活でも夫婦の水谷豊と伊藤蘭がテレビドラマ「事件記者チャボ!」以来29年ぶりに共演を果たしたことでも話題の映画『少年H』が実写日本映画として初めて選出され、現地時間26日に特別作品賞を受賞していた。(編集部・小松芙未)
映画『さよなら渓谷』は全国公開中