「難民映画祭」が今年で8年目!難民問題への認識向上を目指す
難民問題への認識向上を目指し、国内外問わず「難民」をテーマにした作品を無料で上映する国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所主催の「第8回UNHCR難民映画祭」が9月28日より開催されることが発表された。
上映作品『異国に生きる 日本の中のビルマ人』フォトギャラリー
昨年、世界中で難民や国内避難民として移動を強いられた人の数は4,520万人にも上り、1994年以来過去最多数を記録した。本映画祭で上映される作品は、そんな彼らが故郷を離れざるを得なかったさまざまな理由や状況を描きながら、家族愛や望郷の思いなど人間としての普遍的な感情を映し出す。
今年はアジアやヨーロッパをはじめ世界各国から選ばれた16作品を上映予定。中でも注目は2011年3月に中東シリアで勃発し、一般市民を巻き込む未曽有の人道危機となったアサド政権の反体制派と政府軍による内戦を題材にしたドキュメンタリー映画『シリア、踏みにじられた人々と希望』。監督のイアラ・リーはトルコのシリア難民キャンプで取材を行い、独創的な手法で凄惨(せいさん)な内戦の様子や、一日も早い平和を望むシリア国民の悲痛な声を浮き彫りにし、観る者に平和のあり方についての疑問を投げ掛ける。
一方、1985年よりパレスチナなどを取材してきた日本の土井敏邦監督がメガホンを取る映画『異国に生きる 日本の中のビルマ人』は、難民として東京に暮らすミャンマー人青年チョウの14年にわたる記録をまとめたドキュメンタリー。1991年に軍事政権の弾圧を逃れるために日本へ渡り、祖国の民主化運動に奮闘しながらも、家族や故郷への思いを捨て切れずにいるチョウ青年の姿を描く。
また、今年の映画祭は視聴覚障害者向けのバリアフリー上映のほか、上映後には国連やNGO職員、ジャーナリストらによるトークイベントを予定。会場では難民支援のための募金活動も行われる。(編集部・中山雄一朗)
「第8回UNHCR難民映画祭」は9月28日から10月6日まで開催(会場は都内7か所を予定)