渡辺謙主演『許されざる者』の制作がいよいよ佳境へ!李相日監督が、緊迫感漂う編集作業へ
クリント・イーストウッドが監督・主演を務めた同名作を、渡辺謙主演で新たに映画化する『許されざる者』の制作現場で、監督を手掛けた李相日が本作の手応えを語った。
昨年11月末にクランクアップしてから実に8か月、日本映画では異例の2年もの歳月を費やされた本作の制作もいよいよ佳境へ。都内の収録スタジオでは、李監督が映像を見ながらシーンに合った音楽を付ける作業が行われた。
今回、音楽を担当するのは日本を代表する作曲家の一人として幅広い分野で活躍する岩代太郎。ジョン・ウー監督作『レッドクリフ』2部作をはじめ、近年は映画音楽を数多く手掛けており、李監督も「ストイックな映像に対し、スケール感やエモーショナルなポイントをどう出していくか、そのバランス感覚が非常に優れていると思います」と絶大な信頼を寄せた。
「やっと完成に近づきつつあるので期待は高まっていますが、そこで気を抜かないように緊張感は保ったままです。最後まで何があるかわからないし、どこに落とし穴があるかわかりませんから」という監督の言葉通り、スタジオ内には緊迫感が漂っていた。決して妥協を許さず、映像と音楽の流れを合わせるように、一音一音、確かめながら耳を傾けていた監督は、実際に音楽の入った映像を観て「映像に音楽がのることで、映画に命が吹き込まれていくのを感じています」と語った。
「これまでの作品でもそうだったけど、手応えはまだ感じられないですね」と話す李監督は、作品を観た観客に「いい作品だ」と言ってもらえたときに、初めて安心できるのだという。それでも「現場に参加してくれている人たちの熱量がものすごく高いのは感じている。結果的にはそれが作品の良さにもつながると信じています」と超大作を新たに再生させるプレッシャーをもはねのける強い自信をのぞかせた。(編集部・森田真帆)
映画『許されざる者』は、9月13日より全国公開