トミー・リー・ジョーンズ『終戦のエンペラー』、マッカーサーゆかりの場所で上映
トミー・リー・ジョーンズ、西田敏行ら国内外の実力派俳優が出演する映画『終戦のエンペラー』の記者会見が25日、有楽町の日本外国特派員協会で行われ、プロデューサーの奈良橋陽子、野村祐人が外国人記者の質問に答えた。
本作は、終戦直後の日本が舞台。GHQのダグラス・マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)から、太平洋戦争の真の責任者を探し出すという極秘任務を受けたボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)が、困難に見舞われながらも、真実を追い求めていく姿を描いている。日本外国特派員協会は、マッカーサーの命によって1945年11月に設立された組織。彼らにゆかりのある映画が上映されるとあって、この日の会場は外国人記者たちで満員となった。
会場に集まった記者たちからは「自分のおじさんはマッカーサーと一緒に来日し、日本の憲法を作るのを手伝った人物」「わたしは(映画の舞台となっている)終戦直後の東京の様子をこの目で見てきた」といった証言が続々と寄せられ、作品への関心の高さがうかがえた。
本作でマッカーサーにふんするトミーについて野村は、「(顔を似せるために)つけ鼻やかつらを着けたらどうだろうかと提案してくれたこともあった。自分たちとしては、彼のエッセンスを取り入れてくれればいいので、その必要はないと伝えたけどね」と振り返る。現場はスタッフ、キャストが何でも言い合える環境だったといい、それを補足するように奈良橋が「全員が同じビジョンを持って仕事に取り組んだ。グッドではなく、グレイトにしようと。素晴らしいチームワークだった」と満足げな表情を見せた。
その後も、外国人記者たちからは「実話を基にした物語にフィクションはどれくらい織り込むべきか?」「マッカーサーを描くのに、なぜ英雄的な面だけではなく、ネガティブな面も取り上げたのか?」といった質問が次々と飛び出し、会見は白熱。その様子を見た司会者が「この映画を観て疑問に思ったことはどんどん討論し合って、もっとよくこの時代のことを知りましょう。この映画はまさにそのためにあるのです」と締めくくると、外国人記者たちからは大きな拍手が沸き起こった。(取材・文:壬生智裕)
映画『終戦のエンペラー』は7月27日より全国公開