スチャダラパーBOSE、タランティーノ監督にプロデュースのラブコール!
日本屈指のヒップホップアーティスト・スチャダラパーのBOSE、ANI、SHINOCOが3日、尊敬しているという伝説的ヒップホップグループ「ウータン・クラン」のリーダーRZAが手掛けた映画『アイアン・フィスト』の初日トークイベントに登壇し、ユーモアを交えながら独特の映画観を語った。
『アイアン・フィスト』はクエンティン・タランティーノのバックアップを得て製作され、19世紀の中国を舞台にRZAをはじめラッセル・クロウ、ルーシー・リューら超豪華キャストが織り成すカンフーアクション。RZAが夢だった映画作りを実現させた作品でもあり、主演のほか、監督、脚本、音楽をこなしている。
「一番尊敬する人なんですけど、彼が『やっと映画が撮れた』って言うのを聞いて目頭が熱くなりました」とANI。黒人が手掛けた映画ながらもなぜか中国を舞台にしたカンフーアクションという本作の趣向に、ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画が大好きだというスチャダラパーは共感を覚えるようで、ANIは「黒人はカンフー映画に憧れている。あとセックスとバイオレンスは絶対に入れたいと思っていたんだろうな」と分析する。
BOSEも「ミュージシャンでこれだけ人を殴って、目玉が飛ぶような映画を撮った人はいない」とRZAを絶賛。演出面に関しては「自分が戦うシーンのツメが甘い。監督としてはどうなんだろう」と辛口だったが、役者としてのRZAには「体は鍛えていましたね。ラッパーの人は基本演技がうまい」と好意的だった。
また、RZAに対抗し、「スチャダラパーが映画を撮ったら?」という質問を受けると、BOSEは「山田太一みたいな地味なものを作りたい。下町とか、地元・川崎が舞台の群像劇で、スチャダラパー物語みたいなやつ」と発言。「タランティーノがプロデュースしてくれないかな」と映画界の巨匠へラブコールを送る一幕もあった。(取材・文:名鹿祥史)
映画『アイアン・フィスト』は渋谷シネクイント他で公開中