水谷豊&伊藤蘭、原作者・妹尾河童氏を急きょ壇上に呼び込み!
10日、水谷豊・伊藤蘭夫妻が、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われた映画『少年H』の初日舞台あいさつに出席した。途中、本作の原作者である妹尾河童氏が会場にいることを知ると、水谷は壇上に呼び込み、初日を一緒に祝うシーンに場内からは大きな拍手が巻き起こった。この日の舞台あいさつには、水谷と伊藤のほか、子役の吉岡竜輝と花田優里音、そして降旗康男監督も登壇した。
本作のために水谷・伊藤夫妻は、全国7か所、走行距離にして21,855キロ以上も移動して精力的なプロモーション活動を行ったが、「こんなことがなければ、一緒にいろんなところに行けませんからね」と水谷と伊藤は、キャンペーンで赴いた地名が書かれた日本地図を見ながらしみじみ。大変ながらも思わぬ経験ができたことに満足そうな表情を浮かべていた。
そんな二人が魂を込めて臨んだ本作の原作者・妹尾河童氏が会場に訪れていることを知った水谷は、壇上へ来ることを促す。日本を代表する舞台美術のデザイナーでもある妹尾氏は、水谷いわく「裏方に徹する人で表舞台には絶対登場しない」人物らしいが、会場一体になっての呼び掛けに、恥ずかしそうに登場した妹尾氏。
すると妹尾氏は「中途半端な作品にしたくないから、映画化の話はここ数年、ずっと断り続けていた。でも降旗監督にお会いして『やりたいです』と言っていただいた。任せて正解でした。(妹尾氏の実際の)妹の好子も81歳なのですが、映画を観て『お父ちゃんとお母ちゃんに会えた』って言っていた。素晴らしい映画にしていただいてありがとうございました」と降旗監督の演出、水谷や伊藤の演技に感謝すると、水谷も伊藤も感無量の表情を見せた。
本作は、340万部超のミリオンセラーを記録した妹尾河童の自伝的小説を、映画『鉄道員(ぽっぽや)』の降旗康男監督が映画化。昭和初期から終戦までの神戸を舞台に、貧困で暗い時代の中で、さまざまな想像力と行動力で生きる希望を見つけ出していく家族の姿を描いたヒューマンストーリー。(磯部正和)
映画『少年H』は全国東宝系にて公開中