歴史から抹消された秘密研究所の実態とは?戦後最大のタブーに挑む!衝撃のドキュメンタリーが公開!
旧日本陸軍による秘密兵器開発の実態に迫るドキュメンタリー映画『陸軍登戸研究所』の初日舞台あいさつが17日、渋谷ユーロスペースにて行われ、監督の楠山忠之が登壇。戦後最大のタブーに挑んだ思いを熱く語った。
本作は戦前、極秘裏に進められていた防諜、謀略、秘密兵器開発の拠点だった旧日本陸軍登戸研究所の実態に肉薄する衝撃のドキュメンタリー。敗戦を機に証拠隠滅命令が下された同研究所関係者の貴重なインタビューを通して、殺人光線、人体実験、風船爆弾、生物・化学兵器、偽札製造など、おぞましい兵器や技術を次々と生み出そうとしていた戦争の計り知れぬ闇の深さをえぐり出す。
上映終了後、観客から拍手で迎えられた楠山監督は、「お暑い中、早くから並んでいただき、さらに3時間という長丁場。大変お疲れかと思いますが、今日は劇場にお越しいただき本当にありがとうございます」と超満員の会場を見渡し感無量の様子。さらに、「この作品は、2006年に日本映画学校の学生3人と共に撮影をスタートし、完成するまでに6年の歳月を費やしました。昨年から自主上映のつもりで公開したのですが、皆さんからの問い合わせが大変多く、友人のサポートを受けて(劇場公開という)門を開いていただいた」と経緯を明かした。
また、本作の内容について楠山監督は「今、世界は難しい時期に来ています。これから先、どんな時代になっていくのか、それはわたしたちの選択に懸かっていると思いますが、(未来を考える上で)この映画が土台になればいいなと思っています」と作品をアピール。さらに沖縄基地問題にも触れ、「先日、オリヴァー・ストーン監督が来日し『沖縄にもう基地はいらない』と発言していました。市民の声が抹消されつつある今、わたしたち一人一人がこれからの時代を真剣に考えなければならないと思います」と強調していた。(取材・文:坂田正樹)
映画『陸軍登戸研究所』は渋谷ユーロスペースほかにて公開中(全国順次公開)