『スター・トレック』J・J・エイブラムス監督、創作の原点!子どものころのワクワク感を明かす
公開中の映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の監督であり、次期『スター・ウォーズ』を手掛けることも決定しているJ・J・エイブラムスが、自身の創作の原点を明かした。テレビドラマ「LOST」「フェリシティの青春」をはじめ、映画初監督作の『M:i:III』など、一見バラバラなジャンルの作品に世に送り出しているJ・Jだが、それら全てに共通するのは「子どもの頃にインスピレーションを受けたものが基になっている」ということだという。
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往年の名作テレビシリーズを現代にアップデートさせた本作はもちろん、前回の監督作品『SUPER 8/スーパーエイト』ではスティーヴン・スピルバーグ監督の影響を感じさせるジュブナイルSFを手掛けるなど、過去作へのリスペクトを忘れないJ・J。だが、そうした一面が取り上げられることについては「僕の作品は過去の遺産を引き継ぐことに主眼を置いていないよ」と否定的であり、本作を含む自身の作品の共通点については「子どもの頃のワクワク感が基になっているんだ」と明かす。
そんなJ・Jが幼心に感銘を受けた作品として挙げたのはチャールズ・ロートンが主演した1939年の映画『ノートルダムの傴僂男』だ。「9歳か10歳だったけど、ボロ泣きだったよ。ラブストーリーに感動したのはもちろん、僕の心をつかんだのはそのメイクアップだったよ」と振り返ると、他に『猿の惑星』『フランケンシュタイン』(1931)といった作品を例に挙げて、「僕は特殊効果をはじめとするビジュアル面でのスペクタクルが大好きなんだ。それに心に響くストーリーが加われば、何も言うことはないね」と自身の創作の原点に言及した。
もちろん、J・Jの嗜好(しこう)は本作にも色濃く反映されている。ザカリー・クイントは毎回3時間をかけるというメイクアップでスポックに変身するほか、異形の宇宙人もそのほとんどは生身の人間がメイクアップを施して演じている。CGでごまかすのではなく、そうした労力を払う理由をJ・Jは「映画の中でキャラクターが冒険をするとき、それは単にスクリーンの内側で起こっていることではないんだ。僕たちは主人公たちの姿に自分を投影することで、現実ではあり得ないことを擬似的に体験する。それこそが映画の醍醐味(だいごみ)だ。だから、出てくるキャラクターは、僕たちが共感できるように人間が演じないといけないんだ」と説明した。
「僕は手品が大好きだ。なぜかというと、マジシャンは僕の目の前で不可能なことをいとも簡単にやってしまう。そんな驚きこそが僕が世界で一番好きなことだよ!」と語ったJ・J。本作にも彼が愛するそんな“マジック”をたっぷり詰め込んでいるといい、「『スター・トレック』が描いているのは、いずれ訪れるであろう僕たちの未来だ」と断言。単なる絵空事ではない映画の魅力についての熱弁を振るった。(編集部・福田麗)
映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』は全国公開中