歴代スーパーマンから振り返る『スーパーマン』の魅力って?
現在公開中の『スーパーマン』シリーズ最新作『マン・オブ・スティール』に合わせ、これまで何度もシリーズ化されてきた歴代のスーパーマンを振り返りたい。
初めにスーパーマンが実写映像化されたのは1948年。このとき初代スーパーマンを務めたのがカーク・アレンだ。コミックスで描かれた派手なコスチュームに身を包んだ実写版のスーパーマンに、当時誰もが興奮した。しかし彼以上の人気を集めたのが、ジョージ・リーヴス。彼は「超人」らしさを出すために、高所から飛び降りたり、窓のガラスを破って室内に侵入したり、壁を素手で壊すシーンなど、全て自身が体当たりでこなしていたという。
次に映像化されたのが、『スター・ウォーズ』などSF作品が盛んな1970年代。リチャード・ドナー監督による映画『スーパーマン』で、主演を務めたクリストファー・リーヴは、そのルックスで世の女性をとりこにした。さらにマーロン・ブランドとジーン・ハックマンという名優の起用、ジョン・ウィリアムズの名テーマ曲などで大ヒットを記録し、以降シリーズは4作まで製作された。
その後は、生誕50周年を記念したアニメや、番外編の映画『スーパーガール』、「スーパーボーイ」のジェラルド・クリストファー、「新スーパーマン」のディーン・ケイン、「ヤング・スーパーマン」のトム・ウェリングという、テレビシリーズが放映される。そして2006年には、ブライアン・シンガーが手掛けた『スーパーマン リターンズ』が公開。本作には旧シリーズへのオマージュもふんだんに盛り込まれ、『スーパーマン II/冒険篇』の続編という位置づけで物語が展開しており、旧スーパーマンを、まるでコピーのように体現している、ブランドン・ラウス版スーパーマンは見事だ。
そしてこれまでのシリーズをリブートして生まれ変わったのが、ヘンリー・カヴィル版の『マン・オブ・スティール』。本作は、これまでのスーパーマンありきのストーリーというより、超人的な力を持った少年が自分の運命に苦悩し、周囲に引き起こす影響などが丁寧に描かれ、特に前半は、製作を務めるクリストファー・ノーラン色の濃い内面的なストーリーが展開する。そしてラスト30分のVFXを駆使したハイパースピードの肉弾バトルは、まさにザック・スナイダー作品の真骨頂。最強で最速のスーパーマンにクギ付けになること請け合いだ。(編集部・山本優実)
映画『マン・オブ・スティール』は全国公開中