まもなく開幕!第8回難民映画祭に込めた主催者の思いとは?
第8回UNHCR難民映画祭の記者会見とマスコミ試写会が4日、東京・千代田区の日本プレスセンタービルで行われ、久保眞治UNHCR駐日副代表が、「観客に行動を求めていく」とする映画祭のテーマについて語った。
国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所が主催するこのイベントは、難民問題への認識向上を目指し、国内外問わず「難民」をテーマにした作品を無料で上映するもの。あいさつに立った久保氏は、「難民が持つ怒り・恐怖・悲しみに心を寄せていただきたい。これまでの難民映画祭では、問題を知ることから始めるとのメッセージが中心でしたが、今回はハードルを上げて、映画を観た人に何らかの行動に移していただきたい」と募金やボランティア活動などへの参加を呼び掛けていくという。
今年の映画祭では、強制送還の通告を受けて列車に立てこもる青年を描いたオランダ映画『脱出』や、日本に逃れてきたビルマ人を14年間にわたって追い掛けたドキュメンタリー『異国に生きる 日本の中のビルマ人』などがピックアップされた。
映画祭のプロジェクトマネージャーである今城大輔氏は、「今年は難民の受け入れ側となるヨーロッパが舞台となった映画が集まった。実際に起きていることを捉えようとする製作者が増えているのでは」とラインナップを分析。これに付け加えて久保氏は「深刻な問題や悲惨な状況など負の部分が強調されがちですが、難民の力強さや希望など、共感を呼ぶような作品も取り上げられれば」と今後の展開を口にした。
この日行われたマスコミ向け試写会では、軍事介入の可否で一段と緊迫した状況にあるシリアをテーマにした日本初公開となるドキュメンタリー映画『シリア、踏みにじられた人々と希望』が上映された。(取材・文:県田勢)
「第8回UNHCR難民映画祭」は9月28日から10月6日まで、青山学院アスタジオ、明治大学中野キャンパス、早稲田大学小野記念講堂ほかにて開催