古田新太、体が動くうちはアクションを!意外な殺陣のルーツを明かす
劇団☆新感線の看板役者である古田新太が、「ゲキ×シネ」シリーズの10周年記念作品第1弾にして11作目となる『ゲキ×シネ「シレンとラギ」』、そして自身の殺陣について語った。アラフィフとなった今も舞台上で華麗なアクションを見せている古田は、「体が動くうちはスラップスティックなギャグやアクションをやり続けたいですね」と意欲を燃やしていた。
藤原竜也と永作博美を主演に迎え、劇団☆新感線が2012年に上演した「シレンとラギ」は、北の王国と南の王国が争いを繰り広げる時代に、女暗殺者と若武者が直面する悲恋の物語だ。同作で古田は野心を胸に秘め、乱世の世を渡り歩く武将・キョウゴクを好演する。
劇団☆新感線の舞台では二枚目的な役柄を数多く演じているが、今回は明らかに毛色の違う役回り。だが古田は「カッコいいかカッコ悪いかでいえば、(テレビドラマ「あまちゃん」で演じた、芸能界の大物プロデューサーの)太巻さんだってカッコいいと僕は思う。キョウゴクなんて、北と南をてんびんにかけて、どっちつかずに生きるようなせこい男ですからね。でもね、ひきょうな人間を演じるのって楽しいんですよ」と笑ってみせる。
そして劇団☆新感線の公演といえば、ケレン味あふれるアクションが持ち味であり、古田の殺陣も円熟味を増している。「それは俺たち(劇団員)が無理をしているから。殺陣師や振付師の人が、カッコ良く見えるように作ってくれただけです」と一笑に付しながらも、「ただ、殺陣は30年以上やっていますから、ちょっとくらいはうまくなりますよね。もともと僕はオタクが入るくらいにチャンバラが大好きで、若山富三郎や近衛十四郎、勝新太郎といった人たちの納刀のものまねを宴会芸としてよくやっていたんです。それは殺陣をやる上で、ものすごく血となり肉となっていますね」と意外なエピソードを明かした。
「殺陣なんて慣れとセンスですよ」と事もなげに言う古田は「下手な奴はいくら練習しても一向にうまくなりませんからね。何ならここでそいつの名前を挙げましょうか?」とニヤリ。毒っ気のあるジョークを振りまくことも忘れなかった。(取材・文:壬生智裕)