小澤征悦&三浦貴大、二世の俳優たちが『許されざる者』であの大物俳優との共演に感銘
クリント・イーストウッド監督・主演の同名作を、李相日監督、渡辺謙主演で新たに作り上げた最新作『許されざる者』に出演している俳優の小澤征悦と三浦貴大が、初の李監督作品への出演を振り返った。二人は、渡辺演じる主人公・十兵衛らに命を狙われる兄弟という、物語の重要なキーパーソンを演じている。
小澤は、作中で忽那汐里演じる女郎・なつめの顔を切り刻んだ極悪人・佐之助にふんし、殺気あふれる熱演を披露。「人を傷つけても反省もできない救いようのない男を演じるのは初めてだったので、とても貴重な体験ができた」と悪役への思いを吐露。一方、凶暴な佐之助に振り回される気の弱い弟・卯之助を演じた三浦は、「実は一番誰も傷つけていない男。だからこそ自分が殺されるシーンでは、悲壮感をなるべく出そうと心掛けました」と語った。
役者への妥協なき演出で知られる李監督の作品に、初めて参加した二人は「わずかな撮影時間でしたが、李監督の厳しい演出の片りんを体験できたことはとても貴重だったと思う」と話す。なつめの顔を傷つけるシーンを丸二日間かけて撮影したという小澤は、「時間をかけて、丁寧に作り上げていく監督です。演出に厳しいとうわさでは聞いていましたが、今回現場で実感しました」と語る。
地面をのたうちまわる壮絶な死にざまを熱演した三浦は、「11月に入ったあとの北海道は日が短くて撮影が早めに終わったんですが、監督から、もうちょっと日が長かったら、三浦くんがもうやめてくれって言うまで撮影するのにな、と言われました(笑)。残念です!」と撮影を振り返った。
三浦と小澤は、同校の先輩、後輩でもあり、小澤が「同じように二世としての道を歩んでこられた佐藤浩市さんとお話ができたことも、とてもうれしかった」と語る通り、本作への出演は、二人にとって何物にも代えがたい貴重な経験となったようだ。(編集部・森田真帆)
映画『許されざる者』は全国公開中