3分間の長ゼリフも1テイク目から完璧！ダニエル・デイ=ルイスが3度目のアカデミー賞に輝いた理由とは？

　映画『リンカーン』でアカデミー賞史上最多となる3度目の主演男優賞を受賞した名優ダニエル・デイ=ルイスが、偉大な大統領を演じる上での秘けつを明かした。

　デイ=ルイスが演じたのは19世紀の第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン。リンカーンといえば誰もが知る歴史上の偉人だが、その私生活は謎が多いという。そんな難役に挑んだデイ=ルイスは「自分の体験をリンカーン自身がどう感じていたのか。リンカーンの主観的な部分に興味を持った」と言い、「スピーチだけではなく彼のさまざまな言葉を参考に、その思考を探ることが役づくりのヒントになった」と独特なアプローチ法を明かした。

　監督のスティーヴン・スピルバーグはそんな彼を、「わたしの中でダニエルは史上最も偉大な大統領だった」と大絶賛。「憑依（ひょうい）型俳優」と呼ばれるデイ=ルイスにこれほどふさわしい賛辞はないだろう。また、過去に演じられてきたリンカーンは威厳を感じさせるような低い声を出すことが多かったが、実際には高く通る声だったとスピルバーグは言う。それを踏まえてデイ=ルイスの発声の仕方やスピーチのシーンに注目して観てみるのも面白い。

　特典映像にはデイ=ルイスについての共演者やスタッフの証言も収録されている。ワンショットで撮影された閣僚会議のシーンで、彼は3分ほどもある長ゼリフを1テイク目から完璧に決めてみせ、それを見た共演者は「自分が失敗するわけにはいかない」とハラハラしていたとか。

　映画『リンカーン』ブルーレイの特典映像では、ほかにもスピルバーグこだわりの演出術をはじめ、一流のキャストやスタッフが作品への試行錯誤を語り尽くす。デイ=ルイスのスゴさを今一度目の当たりにするはずだ。（岩永めぐみ）

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ブルーレイ：税込み4,190円 / DVD：税込み3,490円
※特典映像はブルーレイのみ収録
発売元：20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン