ジョセフ・ゴードン=レヴィットが初監督作を語る「いつの間にかメガホンを取っていた」
『ダークナイト ライジング』のジョセフ・ゴードン=レヴィットが主演・脚本・初監督に挑戦した映画『ドン・ジョン(原題) / Don Jon』について、スカーレット・ヨハンソンと共に語った。
同作は、クラブで女性をナンパしてすぐにベッドインしていたポルノ好きの男ドン・ジョン(ジョセフ)が、ある日タイプの違う2人の女性バーバラ(スカーレット)とエスター(ジュリアン・ムーア)に出会い、真実の愛を追求していくというもの。今年のサンダンス映画祭でも注目された話題作だ。
監督を務めた経緯は「撮影前の準備段階では、誰か僕以外の人物が監督をしたほうがうまくいく、監督をやめるべきだという自分の声に悩まされていた。だが脚本の執筆が楽しかったから仕上げることができ、共演者のスカーレットが気に入ってくれて楽しい会話ができたことで、監督する疑念が消えて、いつの間にかメガホンを取っていたんだ」とジョセフは明かした。
また、「われわれが非現実的な期待を恋愛対象者に求めるのは、さまざまなメディアによってコントロールされているからだ。僕自身も映画という媒体の中で働いてきて、人生のほとんどを俳優として過ごしてきたが、ここ2、3年、よく『わたしの人生が映画みたいだったらいいのに』という言葉を耳にして、聞くたびに驚いていたんだ。僕は現実の生活のほうが美しいと感じているから、コマーシャルやテレビ番組ではあまり描かれないものを面白おかしくこの映画で描いてみた」と答えた。
ポルノを鑑賞するドンを毛嫌いするバーバラについて、スカーレットは「ポルノを鑑賞する女性もいるし、男性よりも鑑賞することの多い女性もいるわ。でも、この映画ではドンが隠れてポルノを鑑賞していたことが問題となり、事前に男性はそういう(ポルノを鑑賞する)性質だという会話をしていなかった。だからバーバラは、そんな行為にだまされたと感じ、ドンのことが全く別の男性に思えてしまうの」と語った。
若手演技派俳優のジョセフだけでなく、彼の心情を語った脚本や、個性的な観点を通した演出の魅力も楽しめる映画に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)