クリスとダニエルが明かすF1ドライバー、ニキ・ラウダとジェームズ・ハントのライバル関係とは?
映画『マイティ・ソー』の人気俳優クリス・へムズワースが新作『ラッシュ(原題) / Rush』について、共演者ダニエル・ブリュールと脚本家ピーター・モーガンと共に語った。
同作は、1970年代のF1黄金期が舞台。1976年、総合ポイントでそれまで首位の座にあった前年覇者ニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)が、レース中の大事故で全身にやけどを負うも、奇跡的に復活し、わずか6週間で復帰してライバルのジェームズ・ハント(クリス・ヘムズワース)とレースで戦っていく、という内容。脚本は映画『クィーン』のピーター・モーガンが執筆し、監督は映画『ダ・ヴィンチ・コード』のロン・ハワードが務めた。
ニキ・ラウダ役を演じたダニエルは「出演決定してすぐに、ニキからぜひ会おうと電話があったが、『僕が気に入らなかったら、それまでだ』とも言われたんだ。僕はドキドキしたが、彼は僕のことを気に入ってくれて、実在の人物を演じることに安心できた。彼は、僕が資料などでは手に入れることのできないことを教えてくれて、撮影終了するまでサポートしてくれた」と語り、さらにオーストリア出身のニキのドイツ語アクセントを学ぶため、撮影前の1か月をウィーンで過ごしたことも明かした。
映画『クィーン』の脚本家ピーターがF1を描くことになったのは「僕が英国出身であることで、多少認識のあったニキ・ラウダと個人的に子ども時代ファンだったイギリスのドライバー、ジェームズ・ハントを描こうと思ったんだ。そして、ニキにこの話を持ちかけた際に、ジェームズ・ハントとの特別なライバル関係と友情関係を描くストーリーを気に入ってくれた。競争するアスリートたちにとって、ライバル関係であることは友情関係の表現の一つだと思っている」と語った。
ロン・ハワード監督の演出についてクリスは「彼は忙しい人だが、最も優しい監督の一人だ。彼のこれまでの作品を観てもらえばわかるが、詳細で(作品に)信ぴょう性がある。彼はこの映画は『アポロ13』の製作のような体験だったと言っていた。あの映画では、宇宙関係の仕事に従事する人たちの反応が気になったように、今作ではF1ファンの反応が気になっていたようだ」と語った。
映画は、型にはまらぬ二人の男が、お互いを高め合うライバル関係でありながら、友情関係にもあることが見事に描かれ、さらにスリリングな映像を駆使して観客を魅了していく。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)