スピルバーグがほれ込み、米リメイクが決定!『そして父になる』是枝監督が対談
公開中の映画『そして父になる』のハリウッドリメイクが決定し、現地時間27日、リメイク権を獲得したドリームワークスのスティーヴン・スピルバーグと同作の是枝裕和監督の対談が実現した。スピルバーグは同作が審査員賞を受賞した第66回カンヌ国際映画祭の審査委員長を務めており、「あの作品は本当に素晴らしかった」と絶賛を惜しまなかった。
ロサンゼルスのドリームワークスのオフィスで行われた対談の中で、スピルバーグは同作について「非常に高いレベルでのエモーショナルな感動があり、5月に観て感動して、それから4か月たっているのに、まだ同じハイレベルの感動が残っている。本当に素晴らしい」と語ると、カンヌで鑑賞した際に涙を流したことを告白。その上で、「リメイクさせてくれる決断をしてくれて感謝しています」と改めてお礼を口にした。
それに対して、是枝監督は「こちらこそ、スピルバーグさんが関わってくれること、とてもうれしいです」と応じると、「リメイクは、アメリカの文化に合わせて好きに作ってください。オリジナルのことはあまり気にせずに」と逆に提案。スピルバーグは日米の文化の違いこそあれ、同作のテーマが普遍的であることを強調しており、リメイク版についても「いいものになるよ!」と確信している様子だった。
また、スピルバーグはすでに海外での名声を確立している是枝監督に「英語で映画を作る気はないの?」と質問。是枝監督は「興味はあるけど、言葉ができないのでハードルが高いんですよ」とやや尻込みしていたが、スピルバーグは「僕の友人のチャン・イーモウは、英語を全く話さないけれど、クリスチャン・ベイルの目を見て判断していたよ。大丈夫だよ、できるよ」とその背中を押してみせるなど、是枝監督の才能にほれ込んでいるようだった。
最後には「リメイクを撮るときには、撮影現場にぜひ来てください! モニター横に座って指示を出してくれてもいいですよ」というスピルバーグの誘いに、是枝監督が「ぜひうかがいます!」と再会を誓うなど、すっかり打ち解けた二人。まだまだリメイクの詳細については決定していないことも多いが、映画ファンにとっては完成が楽しみな作品がまた一つ増えたに違いない。(編集部・福田麗)
映画『そして父になる』は公開中